韓国・朴槿恵大統領の
「反日一辺倒外交」という愚行

中国には必要以上になびく


石 平 (せき・へい)  中国問題・日中問題評論家

1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒業。1988年に来日。神戸大学文化学研究科博士課程修了。2002年に『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)を著して以来、評論活動へ。近著に『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(ワック)『日中をダメにした9人の政治家』(ベストセラーズ)などがある。

チャイナ・ウォッチャーの視点

めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリストや研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。執筆者は、富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)、城山英巳氏(時事通信社中国総局特派員)、平野聡氏(東京大学准教授)、森保裕氏(共同通信論説委員兼編集委員)、岡本隆司氏(京都府立大学准教授)、三宅康之氏(関西学院大学教授)、阿古智子氏(早稲田大学准教授)。

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今年2月に韓国の朴槿恵大統領が就任して以来、日韓関係はずっとこじれたままである。もっとも、中国語が堪能で中国文化が好きな朴氏は大統領になって以降、それまで韓国外交の優先順位だった「米・日・中」を「米・中・日」へと変更したことから、いずれにしても日韓のある程度の冷え込みは避けられなかったかもしれない。しかしそれにしても、この半年間の日韓関係のこう着状態はあまりにも異常である。

 朴大統領は安倍首相との首脳会談を頑なに拒む一方、国内外のありとあらゆる機会を使って日本に対する批判を繰り広げた。訪米中に米議会で演説を行う時でも、名指しを避けながらもあからさまな日本批判を展開した。

 挙げ句の果てには、韓国訪問中のヘーゲル米国国防長官に対して「歴史に逆行した発言をする日本の指導部のせいで、信頼を築けない」と述べた。一国の大統領でありながら、「安倍君が悪い」という小学生レベルの告げ口をする有り様である。その結果、現在の日韓関係が最悪の状況になっていることは周知の通りだ。

「竹島問題棚上げ」で関係改善が
韓国にとって有利だった

 しかし、それは一体何故なのだろうか。本来なら朴大統領の就任は、前任の李明博大統領が竹島上陸を断行して以来悪化した日韓関係を修復するための絶好のチャンスであった。

 去年の12月末、朴氏が大統領に選出された直後に、日本側の安倍政権はさっそく韓国への特使派遣を決めたのと同時に、今年2月22日に開催する予定だった政府主催「竹島の日」式典を見送る方針を固めた。安倍政権にとって「公約違反」となる開催見送りに踏み切ったことは、韓国の新大統領に対する最大限の配慮であり、「竹島問題」で韓国と喧嘩するつもりがないことを明確に示していたのだ。

 もし朴大統領が日本側のこのような行動を好意として受け止め、「竹島問題」を棚上げにした上で、日本との関係改善にこぎ着けようとしたならば、それは実に簡単なことだったはずだ。もちろん韓国の国益にも大いにかなうことであろう。本来なら日本の領土である竹島は事実上韓国によって実効支配されている状況下では、この問題を棚上げにしたままの関係改善は、誰の目から見ても韓国にとって有利な展開である。

 もちろん、日本と関係改善するメリットはそれだけではない。実は朴大統領の就任後の東アジアの国際情勢は、韓国にとって大変なチャンスであった。この地域の大国である中国と日本が、いわゆる「尖閣問題」をめぐって激しく対立しているからである。両大国のどちらにしても、やはり韓国を味方につけて相手を牽制しようと考えているはずだ。

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石 平(せき・へい)

中国問題・日中問題評論家

1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒業。1988年に来日。神戸大学文化学研究科博士課程修了。2002年に『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)を著して以来、評論活動へ。近著に『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(ワック)『日中をダメにした9人の政治家』(ベストセラーズ)などがある。

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