欧州人権裁判所(ECHR)は9日、スイスの気候変動対策が不十分だとして市民が国を訴えた裁判で、市民の主張を認める判決を言い渡した。
スイス政府が対策を怠たり、熱波などの異常気象が生み出されたことが、欧州人権条約8条の「私生活および家族生活の尊重を受ける権利」に違反すると結論付けた。
一部の科学者は、気候変動が新たな段階に突入するのではないかと懸念を示している。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスによると、今年3月の世界の平均気温は、人類が化石燃料を大量に燃やし始める前の「工業化以前」と比べて1.68度高く、3月として最も高かった。
海水面温も史上最高を記録し、サンゴ礁の白化が進んでいる。
現在の高温は、人間の活動と、自然現象のエルニーニョ現象によるものとされている。
昨年6月に始まったエルニーニョ現象は今後数カ月でおさまる見通しだが、それでも気温が下がらない可能性があるという。
BBCのジャスティン・ロウラット気候変動編集長が解説する。