2024年4月30日(火)

BBC News

2024年4月10日

宇宙の万物に質量を与える粒子の存在を理論的に予想したイギリスの物理学者、ピーター・ヒッグス博士が8日、死去した。94歳だった。

ヒッグス氏が名誉教授を務めた英スコットランドのエディンバラ大が同日、同氏はエディバラ市内で8日に死去したと発表した。

エディンバラ大学は声明で、「真に優れた科学者で、そのビジョンと想像力のおかげで、私たちは自分を取り巻く世界をより豊かに知ることができた」とたたえた。

ヒッグス博士は1960年代に他の物理学者たちとともに、なぜ宇宙の物質に質量があるのかを解明する研究に取り組み、素粒子が質量を獲得する理論上の仕組みを1964年に提唱した。「ヒッグス機構」と呼ばれる理論上の仕組みを立証するため、後にヒッグス粒子と呼ばれるようになった粒子の発見が必要となった。

欧州合同原子核研究所(CERN)が2012年7月、大型加速器を使った実験でこの粒子を発見。ヒッグス氏は2013年のノーベル物理学賞を、ブリュッセル自由大名誉教授のフランソワ・アングレール氏と共同受賞した。

ファビオラ・ジャノッティCERN所長は、「ピーターはとても特別な人でした。世界中の物理学者を奮い立たせてくれる存在であると同時に稀有(けう)なほど謙虚で、偉大な教師で、そして物理学を簡潔かつ深遠に説明した人でした」とBBCニュースに話し、「とても悲しく、彼の不在をひしひしと感じ続ける」と悼んだ。

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cgrj8g93zjqo


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