2024年5月19日(日)

BBC News

2024年5月7日

イギリス国防省が使用している給与システムがハッキングを受け、英軍関係者の個人情報が不正にアクセスされたことが、BBCの取材で明らかになった。

この重大なデータ侵害の対象となった給与システムには、現役の軍関係者と過去に所属していた人々の氏名や銀行口座の情報が含まれる。

ごく少数ではあるが、こうしたデータに個人の住所が含まれている可能性もある。

ハッキングの背後にいる人物や、ハッキングされたデータを何に使うのかは分かっていない。

被害を受けたのは、イギリスの海軍、陸軍、空軍の現職と過去のメンバーに関する、数年分の「英歳入税関庁(HMRC)型の個人情報」と呼ばれるデータ。

給与システムは外部の請負業者によって管理されている。国防省が運用しているデータは被害を受けていない。

ハッキングについて調査が進められる中、国防省は直ちに対応を取り、同システムがオフラインになったことを、BBCは確認している。

同省は退役軍人の関係団体に今回の事態を知らせるなど、影響を受けた人々に通知し、支援や助言を提供している。

グラント・シャップス国防相は7日に下院で、ハッキングについて報告し、影響を受けた軍関係者を保護するための措置を含む「多点計画」を打ち出す見通し。

ハッキングの背後にいる人物は明らかにされていない。イギリスが敵対国や第三者から受けるサイバーセキュリティーの脅威については、このところ警戒が高まっていた。

英政府は昨年、長期防衛戦略の最新版を発表し、「国家および非国家主体による商業スパイウエア、ランサムウエア、攻撃的サイバー能力の使用が急増している」と指摘していた。

今年3月には、英選挙管理委員会が保有する有権者数百万人分の情報を狙った2021年8月のハッキング事件の背後に中国がいたと、公に非難した。

英国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)は昨年12月、「イギリスの政治と民主的プロセスに干渉しようとする悪質なサイバー活動」の背後にロシアの情報機関がいると発表した。

公的機関や民間企業も、身代金(ランサム)を要求するハッカーの標的になっている。

ロンドン警視庁は、現段階ではいかなる捜査にも関与していないとしている。

(英語記事 MoD data breach: UK armed forces' personal details accessed in hack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c72p4qrp1j7o


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