野球の米大リーグ（MLB）ロサンゼルス・ドジャーズのスター選手、大谷翔平氏（29）の通訳だった水原一平容疑者（39）が大谷氏の銀行口座から約1700万ドル（約26億4000万円）を不正に送金したとして銀行詐欺容疑などで訴追された事件で、米司法省は8日、水原容疑者が司法取引で罪を認めることに同意したと発表した。
水原容疑者はロサンゼルスの検察当局との司法取引で、銀行詐欺と、虚偽の納税申告書を提出した罪を認めることに同意したという。
検察当局によると、水原容疑者は大谷氏の資金を自身の借金の支払いに充てていた。
この事件が3月に報じられると、日本とアメリカの野球ファンの間に衝撃が走った。
カリフォルニア州中部地区のマーティン・エストラーダ連邦検事は、「容疑者の欺瞞（ぎまん）と窃盗の規模は甚大だ」とし、「容疑者は信頼された立場につけこんで大谷氏を利用し、危険なギャンブル癖に拍車をかけた」と指摘した。
銀行詐欺罪で有罪となれば、連邦刑務所で最長30年の禁錮刑が科される可能性がある。虚偽納税申告罪の場合は最長で禁錮3年が科される。
水原容疑者は違法賭博に絡む窃盗疑惑が報じられた3月に、大谷氏が所属するロサンゼルス・ドジャースに解雇された。
大谷氏は当時、「信頼していた方の過ちというのを悲しく、というかショックです」と述べていた。
大谷氏は昨年12月、ドジャースと史上最高の10年総額7億ドルの契約を結び、同球団の顔となった。
同年11月には、アメリカン・リーグでの2度目のMVPを満票で受賞したばかりだった。
MLBでは2018年からプレーしており、常に水原容疑者が行動を共にしてきた。
大谷氏のコメントを英語の口語表現に訳す水原容疑者の能力は、日本で広く称賛されていた。
（英語記事 Ippei Mizuhara: Ohtani's former interpreter to plead guilty to fraud in US）
