うつ病蔓延時代への処方箋

2013年12月19日

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 人間は誰もが強みと弱みをあわせ持つ。光と影の両極が内在している。どちらを生かしているのか。その差は大きいが、大半の人は意識していない。現状の苦しみは弱みが出ているからで、強みを伸ばしていけば弱みは薄れる。これが「心の科学」だと匠英一・デジタルハリウッド大学教授は強調する。その具体的な手法と抑うつ状態から抜け出す方策などを聞いた。

匠 英一(たくみ・えいいち)
東京大学大学院教育学研究科を経て東大医学部研究生修了。1990年㈱認知科学研究所を設立。問題解決技法などの研究成果を事業化。2003年早稲田大学IT経営戦略研究所客員研究員、05年から現職。多数の大手メーカーやサービス系企業の人材・組織開発のコンサルティング研修を行う。テレビのレギュラーなどでも活躍する。日本ビジネス心理学会副会長、eマーケティング協会専務理事など兼務。主な著書に『認知科学 最強の仕事力』(高橋書店)など多数。

強みを伸ばす行動が「心の科学」

―― 認知科学の理論をベースに、企業の組織と社員、顧客心理を科学的に分析し実践に役立てるビジネス心理学を主張されていますね。その根本は、できない自分から、できる自分へと変革させていくポジティブな考え方。そこには抑うつ状態で悩む姿の裏返しという見方ができるように思えます。

デジタルハリウッド大学・日本ビジネス心理学会副会長 匠 英一教授

匠:認知科学とは、人の思考、記憶、行動などすべてを科学していくことです。行動科学と合わせて認知行動科学という流れもあり、少しずつ“認知”されてきましたが、まだまだ、“認知症”の学問と間違われることが多いのが現状です。

 現在、講座として認知科学を本校と聖マリアンナ医科大学で教えています。受講する学生の数は毎年増え、学生たちの関心が高まっていると感じています。なぜなのかと言えば、学生たち自身が日常生活で抱える不安とか、うつ症状に近い状態を感じたことがあるからではないでしょうか。だから、その解決策を求め学びに来るのだと思います。

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