うつ病蔓延時代への処方箋

2013年11月29日

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 職場の同僚や知人の様子がおかしいと気が付いても、どのように接すればいいのか判断できない場合がある。雑誌などのうつ病特集では「頑張れ!」と言ってはいけないと、書いてあるが、本当にそうなのか。それだけなのか。うつ病は単一的な病ではないはず。人により多様なケースがあるはずだ。そこで、NPO法人Light Ring.(ライトリング)の石井綾華代表理事に、うつ症状に陥った人が身近にいる場合の接し方や活動内容などを聞いた。

石井綾華(いしい・あやか)
1989年、福島県郡山市生まれ。大学在学中の2010年、任意団体こころの病予防プロジェクトa.light(アライト)を設立。2012年大学卒業とともにNPO法人Light Ring. を登記、設立。自身の体験をもとに、心の病は医師を含め社会全体で解決を目指すべき「社会問題」とし、悩む本人の家族、友人たちへの支援事業を展開する。精神保健福祉士、社会生活技能訓練(SST)初級指導者。

薬で生きにくさは解消しない

―― 大学在学中から心の病への支援を始め、若くしてNPOを立ち上げるなど積極的な活動に驚きます。これまで多くの取材をしてきましたが、メンタルな世界に関わる人は、一定の社会経験を積んだ人がほとんどです。石井さんがメンタル分野に注目し、取り組もうとした経緯を教えてください。

石井綾華さん(NPO法人Light Ring.代表理事)

石井:私は小学5年生の時に摂食障害になり入退院を繰り返した経験があります。世の中の多くの子どもたちにとって、メンタル問題は遠い世界のことであるはずですが、わずか10歳になったばかりの私には身近な存在だったのです。死もすぐそばにありました。父はアルコール依存症でした。

 依存症も摂食障害も精神的な病気です。確かに疾病であることはわかりますが、どうして父も私もなってしまったのかを考え続けました。上手に生きられなかったのですね。

 現実は生きにくいことばかり。何かをやっても成果がでない、役割が持てない、自分の居場所がない。努力をすれば報われるのは昔の話です。そんな気持ちが心の中を支配している人が多いのではないでしょうか。このような状況を解決してくれるのは薬ではないと思います。

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