世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月13日

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 先進兵器の隠匿と使用が容易になる中、西側は、誰がそうした兵器を持っているか突き止める努力を強化しつつある、とエコノミスト誌11月30日‐12月6日号が報じています。

 すなわち、西側の専門家によると、ロシアなどが、西側を牽制することを念頭に、恐るべき先進兵器、特にミサイルを開発し、それらの輸出に力を入れている。

 例えば、世界最速の魚雷、ロシアのVA-111スコールは、210kgの弾頭をつけて海中を11キロにわたり時速370キロ超で進むことが可能で、西側の大型軍艦はこれを避けたり、止めたりできない。そこで、西側はスコールの行方を監視しようとしている。

 監視の必要があるのはスコールだけではない。2006年夏にレバノンのヒズボラが15キロ沖合いのイスラエルのコルベット艦をイラン製対艦ミサイルで攻撃して、水兵4名を殺害し、船体を破損させたことがあったが、今や、さらに高速で遠くまで飛び、迎撃機もかわせるミサイルが開発されている。それらは固形燃料を使うため、人目に立たずに短時間で発射できる。

 中でも恐れられているのが、ロシアの超音速誘導ミサイル、Klub とYakhontで、地上からも航空機・船・潜水艦からも発射可能であり、大型弾頭を搭載し、射程距離300キロ、Klubの速度は標的に届く前に音速の3倍にもなる。これらのミサイルをアルジェリア、中国、インド、シリア、ベトナムが保有していることが判っている。

 こうした「領域拒否」型兵器は、部隊や特段の装置がなくても発射が可能で、非国家組織でも扱える。

 世界中の船の動きを追っている米国は、これらの兵器の行方を、かなりよく把握しているが、そうした能力のない、あるいは米国と緊密な関係がない国は、情報をほとんど掴めない可能性がある。また、米国にしても、製造された全ての兵器の動きを監視することは不可能だ。

 しかも、兵器の製造と移動の「隠密化」が不確実性に拍車をかけている。今や、ミサイルは軍事・民生両用の工場や、民生用を装った工場で製造されている。また、標準のコンテナに収まるものも作られ始めた。ロシアからシリアに向かう兵器の大部分は商船で運ばれ、軍港ではなく商港に寄航すると言われている。

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