世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月16日

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 豪ニュー・サウス・ウェールズ大学名誉教授のカール・セイヤーが、Diplomat誌ウェブサイトに12月3日付で掲載された論説で、印越の安保協力は、インドにとって東アジアでのインドの役割強化に貢献し、ベトナムにとってロシアに対する国防面でのほぼ全面的な依存を軽減するのに役立つというように、両国にとって利益である、と述べています。

 すなわち、11月にプーチン大統領がベトナムを訪問し、防衛協力強化を謳った直後、ベトナム共産党のNguyen Phu Trong書記長がインドを訪問し、同じく防衛協力強化につき合意した。特にインドはベトナムに対し、沿岸警備艇4隻の購入に1億ドルの借款を供与したが、これはインドが南アジア以外の国による軍備品購入に対して与えた最初の借款であった。

 印越の軍事関係は1982年にさかのぼるが、大きく飛躍したのは、2007年11月で、ベトナムのNguyen Tan Dung首相がインドを公式訪問し、戦略的パートナーシップに関する共同宣言が発せられた。共同宣言は、次官級の戦略対話の実施、軍需物資の供給、共同計画、訓練協力などの拡大、軍、安全保障関係者同士の連絡、交流の強化など6分野における協力の推進を明記した。

 共同宣言直後の2007年12月には、インドのA. K. Anthony国防大臣が越国防大臣と覚書に調印し、共同宣言の協力の具体化に乗り出し、その後両国間のハイレベルの軍事交流が間断なく実施された。

 ごく最近では2013年9月、越の国防副大臣兼参謀長のDo Ba Ty中将が訪印し、インドの参謀本部委員長兼空軍司令官と、両国間の軍事協力の強化につき会談した。
インドとベトナムは、それぞれの地域で中国や他の主要国に対しできるだけ行動の余地を広げる点で、安全保障上の利害を共有している。

 インドはベトナムと関係を持つことで、東アジアにおける特に海上でのインドの役割を拡大できる。たとえば、インドはベトナムとの軍事協力により、パキスタンを支援する中国に圧力を加えることができる。

 国防協力は双方に利益をもたらす。ベトナムに軍需関連の物資や技術、サービスを提供することはインドにとっての利益である。さらに、ASEANのパートナーの地位、ASEAN地域フォーラムの参加国としての地位に対する、また、国連安保理の常任理事国への立候補に対するベトナムの支援も、インドの利益である。

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