World Energy Watch

2014年1月9日

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 米国北西部に位置しカナダ国境に接するモンタナ州は、日本より少し広い面積を持ちながら、人口は100万人だ。人より水牛の数が多いと冗談のように言われている州だ。以前米国に住んでいた時に、日本の方からイエローストーン国立公園に行きたいので、公園入口近くのモンタナ州の町のホテルを予約して欲しいとの依頼を受けたことがある。日本でモンタナ州の地図を調べたところ、その町が一番便利そうとのことだった。早速モンタナ州に住む米国人の知人に電話で予約を依頼したところ、爆笑された。「人口60人の町にホテルはない」が回答だった。人口が60人の町でも地図には表示されるほど人口密度が低いということだ。

 そのモンタナ州の治安が急速に悪化している。米国の新聞では突然に人が姿を消してしまう事件が報道されている。なかには、町のベンチに座ってランチを食べている間に、食べかけのランチを残したまま姿を消した人もいる。神隠しのようだが、強盗に襲われ、どこかに埋められているケースが大半のようだ。犯罪が増えているが、刑務所は不足し微罪であれば即座に釈放される。

 治安悪化の原因は、シェールガスだ。隣のノースダコタ州との境界でシェールガスの採掘が開始された。採掘現場は無論のこと、商店もレストランもホテルも人手不足だ。全米から仕事を求め人が集まっている。高給の仕事はある。しかし、生活費も大都会並みだ。住居費も食費も高い。そのために、当てが外れた人も多くいるようだ。犯罪に走る人も多くなった。

 シェールガス革命の負の部分だが、シェールガスにより米国の経済覇権は予想より長く続くことになりそうだ。やがては中国が米国に代わり経済覇権を握るとみられているが、その実現はあるのだろうか。

中国は米国の経済覇権を脅かすか

 19世紀は英国の時代、20世紀は米国の時代と言われた。経済面では、米国は圧倒的に巨大な力を持っていた。米国が他国に対し経済的に優越的な地位、覇権を保有していることを疑う人はいない。米国の経済覇権は世界のなかで米国が占める国内総生産(GDP)の大きさで知ることができる。

 米国は世界のGDPの約25%を作りだしている。2位の中国、3位の日本のほぼ3倍だ。1980年代、”Japan as No.1”と日本で言われていた時に、日本のGDPは米国の半分を超えた。多少米国の地位を脅かしたということだ。これから米国の覇権を脅かすのは中国と言われている。米国、日本、中国のGDPが世界に占めるシェアを図‐1に示した。中国は急速にシェアを伸ばしている。かつての日本のようだ。

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