今月の旅指南

2014年1月24日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 千年の時を経て、今も多くの人々を惹きつける『源氏物語』。文中に描かれた平安時代の雅な世界は、屏風や絵巻などの題材となり、数多くの芸術作品を生み出してきた。和泉市久保惣記念美術館では、所蔵作品の土佐光吉筆「源氏物語手鑑(てかがみ)」が、平成25(2013)年度に新たに重要文化財に指定されたのを機に、記念の展覧会を開催する。

土佐光吉 「源氏物語手鑑 胡蝶」(部分)
桃山時代 慶長17(1612)年 重要文化財
和泉市久保惣記念美術館所蔵

 公開される源氏絵は、「桐壷」に始まり「夢浮橋」に終わる『源氏物語』全54段の象徴的な場面を描いたもので、それぞれ詞書(ことばがき)1枚が添えられ、80枚で構成されている。これまでにも一部は公開してきたが、展示替えをしながら全80枚を一挙に展覧するのは、今回が初めてとなる。

 「源氏物語手鑑」は土佐光吉の最晩年の作品。着飾った童子が舞を披露する船楽の場面を描いた「胡蝶」など、金銀箔を施した鮮やかな色彩の細密画によって、華やいだ雰囲気が伝わってくる。詞書を担当した18人の公家の1人、山科言緒(やましなときお)が制作の経緯を日記に残しており、背景がたどれる点でも希少な作品である。

*指定名称「紙本金地著色源氏物語図」


麗しの源氏絵─土佐光吉の細密画─
<期間>2月8日~3月30日 *会期中展示替えあり
<会場>大阪府和泉市・和泉市久保惣記念美術館(泉北高速鉄道和泉中央駅からバス)
<問>☎0725(54)0001
http://www.ikm-art.jp/tenrankai/index.html#anc06

◆「ひととき」2014年2月号より

 

 

 

 


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