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2014年2月13日

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八尋俊英 (やひろ・としひで)

日立コンサルティング取締役

1965年生まれ。日立コンサルティング取締役。IT分野の投資銀行業務を学んだ長銀を最初に、ソニーを経て中途採用第1期生として2005年経済産業省入省、情報処理振興課長、官房参事官を経て退職。直近2年はシャープにて新ビジネスに取り組み、クラウド技術開発本部長、2012年11月退職。2013年1月より現職。4月より東大生産技術研究所協力研究員。一貫して新しい部署・新設ポストで新開拓を続ける。

 少子高齢化が進むなかで、これからも日本人だけで行くのか、あるいは日本に興味を持つ日本人以外のパワーも借りるのか。TPP加盟も始動する2014年は「日本人」をどうとらえていくのか大事な元年となる。

 いま実は地球規模で生態系の変化、テクノロジーの集積地の変貌もあり、優秀な人材が国境を越えて大移動をしている。世紀の移民・住み替えの時代ともいえる。シンガポール、香港、インド、台湾など各地域でグローバルな人材集結=産業・社会のダイナミズムという戦略が行われているなか、日本だけがこれまで移民については禁じ手であったと思える。

 日本の安全な社会システムを多くの優秀な人材にオープンにすることで、「日本」のファンを増やす。そのために留学生からシニアまで戦略的に中期的に受け入れを行うことは、安定政権でしか実行できない。

 例えば英国において、授業料が自国民の3倍*である留学生は歓迎され、大学は獲得競争に走った(*2011-12では4倍まで拡大したが、来年度は2倍以内に縮小)。これにより留学生の数を増やし、大学経営の危機さえも乗り越えた。東京大学では、具体的な戦略は検討中とのことだ。

 アジアの学生にとって距離は近いが、まだ日本の大学や企業との縁を結ぶにはシステム的に遠い。戦略的に日本の高校大学専門学校など高等教育機関について知らしめて、各種柔軟なエントリーシステムも用意、また若手だけではなく定年後日本で学ぼうという世代も広く受け入れてみてもよい。期間限定であれば恒久的な移民よりは議論しやすいかもしれないし、その期間、確実に街はさまざまに潤う。

アベノミクスの担い手は移民から

 英国ケンブリッジは、今や欧州においてはハイテクベンチャーの地名としてブランド力さえあるという。1970年代に資金余力のあるケンブリッジ大学内の有力カレッジと銀行の動きが呼応し、85年にはケンブリッジ現象といわれるほど企業数が増加した。しかしながら、シリコンバレーのようなハイテク大企業がないため、21世紀に入るまではそれほどは目立たなかった。

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