WEDGE REPORT

2014年3月25日

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 大学に進学する予定のない学生たちは、18歳までは「デュアルシステム」のもと、週に2日座学をやり3日は企業で実技を学ぶ。このコースを選んだ6割くらいの人は大学へ行かず実習をやった企業に就職する。面接で見知らぬ人を採用するというケースは少ない。手に職をつけて社会に出るから、早くから収入を得て生活も社会も安定することになる。

─日本の新卒者は、ダメですか。

 どこでも通用しないから、本当に困っているんだね。22歳になっても、鉛筆1本売ったこともない。それで面接などで「営業をしたい」と言うのはおかしいだろう。日本の会社は、こういう人をよく採用するね。

 それどころか、政府は大卒後3年以内を新卒扱いにして雇用した企業に助成金を支給するとしている。こんな甘いことをしているのは、日本しかない。これでは、企業社会に汚染をまき散らすようなものだよ(苦笑)。日本には、弱い者、というより学生時代にまじめに学んでこなかった者を助けるという悪い癖がある。

 私も会社を経営しているから、そのような人を面接したことがある。20~30の会社の試験に落ちていると、自分がどこの会社を受験しているのか、わからなくなっている。面接で「ここは、どういう会社でしたっけ?」と聞いてくる。面接を受けている会社の研究も、志望動機も薄弱なんだ。これでは、採用されないのが当たり前。卒業後2年目も3年目も、内定を得るのは無理だろう。あれでは老人になっても「新卒扱い」だよ。

 こういう若者が現れるのは、親や教師にも非がある。もっとも責められるべきは人事部長だ。相変わらず「いい大学を卒業したから」ということだけで採用している。こんな人事部長はクビにすればいい。そういう会社は新しい才能を取り入れていないんだから、滅びるしかない。

「有名大学卒ということだけで採用している人事部長はクビにすべき」と語る大前研一氏(撮影・淺岡敬史)
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