中小の技術屋が作った
海外展開のための“英字誌”


Wedge編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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1月24日、世界初の無料英字雑誌『Indexrights(インデックスライツ、以下IR社)』が発刊された。何が世界初なのかといえば、技術者自身が日本の中小企業の技術を紹介するために作った英字誌であるということ。作ったのは、中小の製造業の経営者8人と1人の元サラリーマン。創刊号は3000部刷られ、世界9カ国に配布された。

『Indexrights』創刊号

 創刊メンバーの9人をつなげたのはFacebook(FB)だ。メンバーのなかで唯一のサラリーマンで、福井県鯖江市の眼鏡製造会社を退社してIR社の社長となった飛山昌久氏(39)は「FB内での製造業コミュニティで次第に気の合う9人が濃い“ともだち”になり、機会を作って集まるようになった」という。

 2011年秋、この9人で「海外で集まってみないか」という話になった。「ちょうどフランクフルトで医療機器の展示会をやっているからドイツにしよう」と、2週間の予定で現地に行った。ここで実感させられたのが「日本の中小企業に対する認知度の低さ」だった。

 鋳物の鋳造、加工を行う錦正工業(栃木県那須塩原市)の永森久之社長(38)は「欧州にある鋳物の中小企業はどんな会社があるのか知りたい」と、展示会とは別に独自で現地企業を訪ね歩いた。そうすると「日本の中小企業が来るなんてはじめてだ」と驚かれたという。

技術者視点にこそ意味がある

 帰国後、何か情報発信をする手段はないのかとメンバーで考えた。そこで「雑誌をつくればいいんじゃないか?」と、制御盤メーカー三笠製作所(愛知県犬山市)社長の石田繁樹氏(41)が提案した。

 石田氏は制御盤の技術パンフレットを作成して、無料で配ることを以前から行っていた。自社のホームページから職業やパンフレットが欲しい理由などを書き込めば無料で配布するという仕組みだ。「無料でも、どんな人が制御盤に興味を持っているかという情報が残り、将来の顧客となった」(石田氏)。

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