ペンタゴンと商務省が語る
アジア重視政策


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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2月17日付米Wall Street Journal紙に、チャック・ヘーゲル米国防長官とペニー・プリツカー米商務長官が連名で論説を寄せ、アジア回帰政策を推進する決意表明をしていますが、政策の具体性には乏しく、アジア重視外交はまだ内容が薄いことを示しています。

 すなわち、ここ数十年、アジア太平洋地域は安全で繁栄してきた。これは偶然ではない。米国の安全保障プレゼンス、日本などとの同盟関係、経済関係が安定を提供したからである。

 今日、米国の貿易、安全保障関係がアジア太平洋にシフトし、中国などの台頭で劇的に状況が変化している時に、国防省と商務省は協力して対処している。

 アジア太平洋地域には、歴史的敵意や緊張があり、不確実性や紛争のリスクがある。それは世界の他の国々にも影響を与える。

 小さな不一致が進歩を妨げないように、3つの分野で取り組む必要がある。

 第1は、安保・経済の分野で共有できる原則や公正な規則を推進することである。経済の分野では、TPP交渉を決着させることを意味する。安保の分野では、意思疎通を良くし、困難な問題について作業する必要がある。米国は既に中国を含む諸国と、透明性の向上、海上・航空、宇宙、サイバー空間、南シナ海での行動規範で規則作りに取り組んでいる。

 第2は、災害が起きた時に、太平洋諸国が引き続き協力することである。自然災害は安保・繁栄への脅威である。フィリピンでの台風ハイヤンの例があるが、米軍は人道救援活動に優先順位を付けている。商務省の傘下の国立海洋・大気局は津波予報の強化に取り組んでいる。

 第3は、産業と防衛の関係を強化する国際パートナーシップを引き続き作ることである。日本と迎撃ミサイルを共同開発するなどである。国防省、国務省、商務省は、軍需品の同盟国への輸出規制改革をしている。中国への武器輸出はないが、民事用ハイテクは輸出している。

 国防省と商務省は、アジアへのリバランスの一環として、地域諸国との対話の深化を図っている。4月には、ハワイでASEANとの国防相会議を開催する。

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