世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年4月23日

 3月13日付け米シンクタンクCSISのサイトで、Grant Newsham日本戦略研究フォーラム研究員は、安倍総理や一部の有力者達の言動に囚われず、日本全体の現状に注目し、米国にとっての日本の重要性をきちんと理解すべきである、と述べています。

 すなわち、安倍政権の右傾化によって、中国との紛争に米国が巻き込まれるのではないかとの懸念が広がっている。特に靖国神社参拝は、日米同盟重視派を当惑させた。

 安倍総理と一部の有力者達は、日本は、戦争でアジアにおける白人支配から有色人種を解放するという崇高な行為を行ったと信じている。彼らは、東京裁判には正統性はなく、南京大虐殺は「作られたもの 」 だと思っている。そして、彼らは、もし、日本が悪いことをしたとしても、戦争中は誰もがしていたことだと論理づける。

 安倍総理及び一部の有力者達は、日本が「自虐史観」を容認している限り、独立及び尊敬を回復することはできないと思っている。

 米国の外交官、メディア、シンクタンク等の外交政策担当者達は、ほんの一部の日本人としか話をしないので、日本の保守層に対する理解が十分でない。日米相互理解を増進させるには、日本の政治のあらゆる層とコミュニケーションすることが不可欠である。

 トラック2対話やシンクタンクのセミナー等は、コミュニケーションの場として大いに役立つが、日本の大多数を占める英語が流暢でない人々も含めることで、日米間の理解はより深まるだろう。通訳代は高いが、その見返りは大きいだろう。

 米国人は、特定の政権に焦点を置きすぎず、もう少し広く日本を捉えるべきである。日本の総理は頻繁に交代するし、それぞれが特徴を有している場合が多い。細かい言動に囚われない方が良い。鳩山元総理の幾つかの考えの方が、安倍総理が言ったこと以上に仰天させるものだった。

 安倍総理も日本も、中国とも誰とも紛争を交える意図はないことを理解しよう。結局、日本は、近隣諸国、特に中国、北朝鮮及びロシアよりも、文明的で責任ある行動を取り、個人の自由及び民意に基づいた政府がある社会である。

 日本はめったに自分を上手く表現しない。日本は米国の支援を利用できる。

 例えば、安倍総理は日本を1930年代の軍国主義に向かわせていると言う中国と韓国の主張が幅を利かせてきたが、この誤った主張に日本が挑戦するのを米国は助けるべきである。安倍総理の靖国神社参拝に対して公に「残念」と表明する代わりに、米国の報道官は、日本の過去70年間の模範的行動を強調し、日米関係は靖国参拝によっても絆が緩むことはないと言うのが良かったかもしれない。必要があれば、苦情は非公式に伝えるべきである。

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