田部康喜のTV読本

2014年6月4日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 シャーロック・ホームズが、欧州をまたにかける犯罪者の宿敵である、ジム・モリアーティーの罠にかかって、病院の屋上から飛び降りて死んだと思われてから2年がたった。

 NHK海外ドラマ「シャーロック 3」は、ワトソンが恋人のメアリー・モースタンと共にホームズの墓標を見つめるシーンから始まる。

 アーサー・コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズシリーズは、1893年12月の「最後の事件」のなかで、ホームズとモリアーティーが崖の上で格闘を繰り広げて、ふたりが瀑布に墜落するシーンでホームズの死を暗示する。

 出版社や愛読者がホームズの復活を願ったのにもかかわらず、ドイルが「シャーロック・ホームズの帰還」の著作を編む諸短編の執筆にとりかかったのは、1903年10月のことである。

 「空き家の冒険」がその復活第1作であった。それから110年の年月を経て、イギリスとアメリカの制作会社によって、舞台を現代に移した原作は、シーズン3に至って、ホームズの帰還を描いた。

新たな脚色をほどこした現代版ホームズ

 シャーロック・ホームズシリーズなら、英国のグラナダテレビが制作したジェレミー・ブレッドがホームズ役のドラマが幾度も再放送されている。

 BSプレミアム枠の「シャーロック 3」は、ベネディクト・カンバーバッチ主役の現代版の放映後に、原作を忠実に映像化したジェレミー・ブレッド版を流すという、粋な編成になっている。

 第1回「空(から)の霊柩車」、第2回「三の兆候」が放映済みで、第3回「最後の誓い」(6月7日放映予定)を残すばかりとなった。ご紹介するのに遅くはない。原作の持つ推理のおもしろさを損なうことなく、しかもスマートフォンや科学的な操作手法によって、新たな脚色をほどこした現代版ホームズ。ジェレミー・ブレッド版と同様に、これから、幾度も再放送されることだろう。

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