世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月13日

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 カート・キャンベル前国務次官補と新アメリカ安全保障センター(CNAS)のエリー・ラトナー上席研究員が連名で、フォーリン・アフェアーズ誌5-6月号に長文の論文を寄せ、オバマ政権のアジアへの軸足移動の正当化と、反対論への反論を展開しています。

 すなわち、米国は、長年の南アジアと中東への関与から、21世紀の歴史はアジア・太平洋で書かれるとの考えを前提に、オバマ政権はアジアへの「軸足移動」を行い、米外交でアジアの地位は上がっている。

 アジアは、経済繁栄と影響力増大という巨大な問題で、米国の注意と資源を引きつける。問題は、米国がアジアに焦点を合わせるかどうかではなく、必要な決意、資源、賢明さをもってそうできるかである。アジアでは、人権状況が改善し、また経済成長も引き続いている。同時に、北朝鮮、軍事費増大、海洋紛争、災害などの非伝統的脅威もある。

 米国の対アジア輸出は対欧州より50%多い。米国のアジアへの直接投資、アジアの対米投資は過去10年で倍増した。米国は5つの防衛条約、戦略的に重要なパートナー関係をこの地域で持っている。日韓の軍事基地は戦力の投射を可能にする。米の軍事同盟が地域の安全保障の下支えであった。その強化も軸足移動の主要目的の一つである。日韓、豪、比との防衛協力は同盟強化に役立っている。

 しかし、これは中国包囲網でも中国弱体化の努力でもない。逆に中国との関係を強固で生産的にすることがリバランシングの主要な目的である。中国を封じ込めるのではなく、米は中国と成熟した関係を作るように努めてきた。軍同士の関係も軌道に戻っている。

 リバランシング戦略は、アジア・太平洋の多数国間組織への米国の関与増大も求めている。米国は東アジア首脳会議メンバーになり、東南アジア友好協力条約締約国になった。米国はアジアの中では北東アジアから東南アジアへも関心を移しつつある。オバマ政権はまた人権尊重、民主主義推進もしている。ミャンマーの変化は良い例である。

 軸足移動、リバランシングの反対者は、主として3つの反対論をしてきた。

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