世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月19日

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 台湾はオバマの「アジア回帰」に合致する方向でアジア・太平洋の諸国と協力すべきであり、特に南シナ海において中国と同じような主張を行うのは台湾にとって極めて不利であると、「台湾シンクタンク」幹部の頼怡忠が、5月10日付台北タイムズで述べています。

 すなわち、オバマの今次アジア歴訪では、安全保障面での協力を如何に推進するかが焦点となった。この訪問を通じ、オバマはアジア太平洋地域における米国の同盟国から「アジア回帰」について信頼感を取り戻すことが出来た。

 今回の米国の動きは台湾海峡の平和と安全にとっても歓迎すべきものである。台湾としてもオバマの「アジア回帰」に波長を合わせるように行動すべきである。

 米国はフィリピンを安全保障面で支援し、南シナ海での中国・フィリピン間の問題は国連海洋法に基づく国際仲裁裁判所で審議されることを支持した。南シナ海について中国の主張する「9点線」がはたして国際法に適っているかどうかを同裁判所が審議するようフィリピンはすでに提訴済みである。

 中国の「9点線」は国際法に違反する可能性が大きい。馬政権は「U-型ライン」を主張しているが、これは中国の「9点線」にきわめて近いものである。これに対し、米国は台湾が中国とは違った主張をすべきであるとの立場をとっている。馬政権は中台関係を「一国二区」(中華人民共和国と中華民国の二つの地域よりなる)の関係であるとの立場から、この米国の主張の受け入れを拒否している。

 台湾は、米国の「アジア回帰」政策を利用すべきであり、中国とは違った立場をとるべきである。もし、このまま、中国の「9点線」と同様の「U-型ライン」の立場を維持しつづける場合、仲裁裁判所が「9点線」を拒否すれば、現在台湾が保有している南シナ海(南沙)の太平島までも失うことになる可能性があろう。

 日本との関係では米国は日本が自国を守る権利を強化することを支持しており、日本が軍国主義復活の道に進んでいるとは考えていない。米国は一時、安倍首相の靖国参拝に失望感を示したが、日本が平和な国であり、またアジア太平洋地域での安定勢力として米の最重要な同盟国であるとの認識はなんら変えていない。

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