世界の記述

2014年7月29日

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 今ドバイで我が国のパンやスイーツ類が人気を博している。なかでもいつも地元の女性客で賑わっているのが日本的なパンを提供する「山の手アトリエ」だ。それまでドバイの人たちにとってパンといえば、アラブ式のホブズ・アラビーと呼ばれる平たくて長円形で空洞のある薄いパンか、せいぜいフランスのクロワッサンやドイツのライ麦系のものなどであった。

「山の手アトリエ」の店内 (Yoshiki Hatanaka)

 そこに2年ほど前になるが、「アンパン」や「チョコレートパン」「カレーパン」「コロッケパン」「焼きそばパン」といった、見たことも味わったこともないパンを売るお店が突然出現した。しかも巨大なショッピングモールの中ではなく、市内でも高級住宅の並ぶ一角にオープンしたのである。オーナーはドバイ首長一族のシェイク・スヘイル・アルマクトゥーム氏。日本式のパンに興味を抱きアラブ人にも必ず受けると考え出店したという。

 「山の手アトリエ」の成功の秘訣は、全て日本から取り寄せた小麦粉を使い日本人のパン職人が丹精込めて作っている点にある。日本らしさが食べ物には目の肥えているドバイ人のハートをつかんだということだろう。店内に6つほどの丸テーブルと椅子が設けられ、その場で飲食できることも魅力のようだ。

 飲食業をアラブ世界で成功させるには地場の特性を正しく把握することが不可欠である。ドバイではサウジアラビアのデーツ(ヤシの実)・スイーツの専門店バティール(Bateel)も地元民に大受けしている。それまでのデーツ・スイーツとは異なり、デーツの中ほどをカットしオレンジやレモンピールなどを挟み込んだアイデアが新たな需要を掘り起こしたのだ。

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