世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月17日

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 6月7日付け仏ル・モンド紙の社説は、ノルマンディー上陸作戦70周年の機会を捉えたフランス外交は、ウクライナ問題解決への第1歩として、成功したようである、と論じています。

 すなわち、6月6日、ノルマンディー上陸作戦の70周年式典が現地で開催され、多くの首脳が居合わせた。オランド仏大統領は、この機会を捉え、ウクライナ紛争を解決するための外交の場とした。

 オランド仏大統領の決意は固かった。批判があったにもかかわらず、プーチン露大統領への招待を取り下げなかった。選出されたばかりのウクライナのポロシェンコ大統領も招待した。

 そして、前代未聞のダブル・ディナーを計画した。オバマ米大統領とはパリ市内のレストランで夕食会を、そしてプーチン大統領とはエリゼ宮で夕食を共にした。そして、仏独による外交お膳立てで、ロシアとウクライナの大統領は初めて会談した。

 ポーランドでもベルギーでも、「新しいロシア」の野望に対するオバマ大統領の毅然とした態度は明らかだった。が、歴史が彼を動かした。オバマ大統領は、野党共和党に彼の弱さを見せることなく、ノルマンディーで、プーチンと対話を始めることが出来た。対話を拒否すれば、ノルマンディー上陸作戦の犠牲者に対する侮辱となってしまうからである。15分のプーチン・プロシェンコ会談の後、15分のオバマ・プーチン会談が行なわれた。

 ベルギーで、オバマ大統領は、ロシアとの関係修復のための2条件を提示した。1つは、ポロシェンコ大統領をウクライナの正当な大統領として承認することで、もう1つは、東ウクライナの親露武装勢力への支援を停止することである。

 1つ目に関しては、プーチンは、承認しそうである。逆に、ウクライナ東部の紛争の激化に関しては、プーチン大統領は、全てを現ウクライナ政府の責任にし、自らの責任は認めない。しかし、停戦は、プーチンの協力なしには成功しない。

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