WEDGE REPORT

2014年9月1日

ネット通販で増える荷量を誰が捌くか。世界に冠たる宅配便ネットワークが既に構築されていた日本と、状況が異なる米中。それぞれの最前線を追った――。

米国ではベゾスが自社配送を目論むアマゾンフレッシュが挑戦を続ける一方、ウォルマートやセブン&アイは、店舗受取の充実に力を入れる。

 2007年にひっそりとシアトル市内の2地域で始まったアマゾンフレッシュ。米アマゾンが手掛ける生鮮食料品のネット通販サービスだが、7年経った14年6月時点でも、ロサンゼルスとサンフランシスコに地域を拡大しただけに留まる。しかし、このスローペースには理由がある。

 アマゾンフレッシュの10年前、サンフランシスコでウェブヴァンという食料品ショッピングサイトが生まれた。18カ月で9つの都市圏にまで拡大したが、01年に突然倒産してしまう。ウェブヴァンの元幹部が挙げる重要な倒産要因のひとつに「物流」がある。

 ウェブヴァンは都市における細かな地域ごとの分析をせず、幅広い地域でサービスを実施したため、配達トラックの運行スケジュールを効率的に組めなかったと言われている。人口密度の低い地域も同時期にサービス開始したことで、1回のトラック出動で配達する件数を稼ぐことが困難だった。

米国アリゾナ州にあるアマゾンの物流センター。図書館の書庫のように、書籍がひしめく (REUTERS/AFLO)

 現在、三都市圏で営業しているアマゾンフレッシュだが、需要が多い地域に限っている(年会費は299ドル、即日配達は別にプレミアム料金70ドルが必要)。アマゾンはウェブヴァンの轍を踏まないようにしているのだろう。

 アマゾンにはウェブヴァンの元幹部ミック・マウンツがいる。ウェブヴァンが苦戦した倉庫運営の効率化のために、マウンツが起業したロボットメーカー「キヴァシステム」を12年に7億750万ドルで買収したからだ。

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