なぜ、東京では安くてウマイものが
食べられるのか?

リオネル・ベカ(「エスキス」シェフ・エグゼクティブ)


WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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東京を訪れた外国人が口をそろえて言う「食」の質の高さとコストパフォーマンス。東京在住18年のフランス人記者がその魅力をレポートする。

リオネル・ベカ(「エスキス」シェフ・エグゼクティブ)

 地球上で、最高の食事を楽しめる都市はどこか─。それは東京だと認める人が世界で急増している。たとえば、ミシュランガイドは、パリを含めた世界のどの都市よりも多くの星を東京に与えた。2014年版ガイドで東京は、ミシュランから「三つ星」を13個、「二つ星」を55個、獲得した。この4月には、米国のフード・アンド・ワイン誌が、米国人観光客が訪れるべき都市として、パリではなく東京を一番に選んだ。直近の調査では「レストランに行くのに最適な都市」のカテゴリーで、東京は、やはりパリに勝ち、ケープタウン、ニューヨークに続く世界3位につけた。

 東京は、グルメな都市だ。フランスのサンドイッチからトルコのピタに至るまで、考えられる限りすべての料理が食べられる。筆者は18年間、東京で生活しているが、レストランに行って嫌な経験をしたことが一度もない。だが、一定のお金を払うからこそ、質の高い食事が楽しめると考えるのは間違いだ。なぜなら、コストパフォーマンスの面でも優れているからだ。

驚くべき東京人の外食率

 東京では、予算が少なくても昼夜を問わず、ほぼ何時でも質の高い食事が楽しめる。レストランで食事をすることは日常的なことで、決して贅沢ではない。これがパリでは、外食は一大イベントになる。フランスで生まれた筆者は、子どもの頃、家族でレストランに行くのは、年に1~2回だった。ほとんどのフランス人と同様、外食は特別な支出だと考えている。誕生日や学校の卒業、会社での昇進といった特別な機会だけに許された贅沢だ。そのため、パリでは、東京のように7ドル程度の代金を支払うだけではレストランから出られない。

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