世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月23日

 9月4日付の米ワシントン・ポスト紙で、クリントン元米国務長官が、キッシンジャー博士の近著“World Order”を書評しています。(http://www.washingtonpost.com/opinions/hillary-clinton-reviews-henry-kissingers-world-order/2014/09/04/b280c654-31ea-11e4-8f02-03c644b2d7d0_story.html)

 クリントン元長官の寄稿は、「キッシンジャーの『世界秩序』評」という表題はついていますが、明らかに書評ではなく、クリントンの大統領選挙に向けた態勢準備の一環です。オバマ外交への批判が強まる中、キッシンジャーの言葉を利用して、オバマ政権一期目の国務長官としての立場を擁護しながら、オバマとは違う自分の外交姿勢を明らかにする試みです。

 キッシンジャーの近著を書評しながら、クリントン元国務長官が主張したいことは、大きく2点あります。1つは、米国が、国際秩序を形成する指導力を引き続き発揮しなければならないということです。そして、2つ目は、米国の指導力の源泉となるのが、自由と民主主義の価値観である、ということです。例えば、

 このキッシンジャーの新著に流れる考えは、私達もオバマ大統領も共有する信念である。すなわち、公正で自由な秩序のためには継続した米国の指導力が不可欠である、という考えである。

 幸い、米国は、21世紀をリードするのにユニークな位置にある。それは、米国が強い軍隊と経済を持っているからという理由からではない。もちろん、これらは大変重要な要素であるが、理由はもっと深いところにある。米国が米国たるゆえんは、我々の社会が多様かつオープンであり、人権や民主的価値に米国が献身的であるということだ。このことは、我々米国民に、将来を築く特別な地位を与えてくれる。その将来とは、自由と協力の精神が、分裂、独裁及び破壊に打ち勝つ将来である。

 と述べています。

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