自動車にすべてを委ねられるのか
自動運転技術の今とこれから

共存か、対立か 進化する自動運転(後篇)


加藤真平 (かとう・しんぺい)  名古屋大学大学院情報科学研究科准教授

04年慶應義塾大学理工学部情報工学科卒。同大学大学院理工学研究科博士課程を経て、東京大学、カーネギーメロン大学、カリフォルニア大学で計算科学の研究に従事。12年より現職。

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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自動運転のコア技術は
「認知」「判断」「操作」

技術は着実に進歩している。しかし、まだまだ自動車に全てを委ねるのは難しい。自動運転技術の今とこれからは。(前篇はこちら

 自動運転は「認知」「判断」「操作」という処理に分かれている。

 認知とは、歩行者や車両を的確に検出し、周囲の状況を理解することである。たとえば、カメラセンサやレーザセンサ(LIDAR)を用いて、画像処理や点群(ポイントクラウド)処理を行う。

 LIDARというのは、センサからレーザ光を照射して、各方向からの反射時間をもとに対象物体までの距離を計測する技術である。3次元のLIDARを用いると無数の点の集合から3次元の地図データを生成することができ、さらにその中で自分が走行している位置を高精度に推定できるようになる。

 現在、もっとも普及の進んでいるセンサはミリ波レーダである。衝突回避システムなどに採用されており、車速を調整して前方車両との車間を調整するアダプティブクルーズコントロール(ACC)や、走行レーンの逸脱を防止するレーンキープアシスタンスシステム(LKAS)にも有用である。

 これら高度運転支援技術(ADAS)は、あくまでも運転者を支援することが目的であって、完全自動運転を実現するには至っていないが、センサの分解能(性能)の改善、認識アルゴリズムの精度の改善、さらには処理スピードの改善など、技術は確実に進歩している。

 ほかにも、位置認識という点ではGPS(正確にはGNSSと呼ぶ)の精度も向上しており、日本の準天頂衛星に対する期待も高まっている。また、物体検出という点では夜間でも画像を取得できる近赤外線カメラの商用化も進んでいる。

 半自動運転に目を向ければ、すでに商用化に至っている技術も数多くある。市販のカメラベースの衝突回避システムを例に挙げると、アイサイトやモービルアイの普及が進んでいる。アイサイトは2つのカメラ(ステレオカメラ)の画像から得られる視差を利用して対象物体までの距離を算出する。モービルアイは単眼のカメラで高精度な画像認識を行い、車速を加味しつつ前方車両や歩行者を的確に捉えることで、対象物体までの距離を推定する。

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「WEDGE REPORT」

著者

加藤真平(かとう・しんぺい)

名古屋大学大学院情報科学研究科准教授

04年慶應義塾大学理工学部情報工学科卒。同大学大学院理工学研究科博士課程を経て、東京大学、カーネギーメロン大学、カリフォルニア大学で計算科学の研究に従事。12年より現職。

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