ネットが動かす未来のマーケティング

ネットイヤーグループ社長兼CEO 石黒不二代氏


Wedge編集部

【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

1989年5月号の創刊から、弊誌も今年25周年を迎えた。創刊後、ベルリンの壁崩壊、湾岸戦争勃発、バブル崩壊、55年体制の崩壊、米国同時多発テロ、アラブの春、東日本大震災……、実に様々な出来事が国内外で起きてきた。89年当時、日本がその後迎える「失われた20年」を予想し得た人は、どれだけいただろう。後ろを振り返っている時間は今の日本にはない。日本が「失われた20年」を二度と繰り返さないために、どういった方向に進んでいくべきか、国内外25人の“英知”がそのヒントを提示する─。

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米スタンフォード大学でMBAを取得後、シリコンバレーで起業した経験を持つ女性経営者。帰国後に目の当たりにした日本の課題とは。

石黒不二代(いしぐろ・ふじよ)
1958年愛知県生まれ。80年名古屋大学経済学部卒。94年スタンフォード大学MBA。シリコンバレーでの起業などを経て、2000年から現職。(撮影・松村隆史)

 インターネットが商用化してから約20年が経ちました。25年後には消費やビジネスシーンでも、意識することなくネットが生活に浸透していて、「インターネット」という言葉自体が消えているでしょう。

 今、インターネットのデータをマーケティングに使おうという、いわゆるビッグデータの基盤づくりが始まっています。DMP(データ・マネージメント・プラットフォーム)と呼ばれ、消費者が閲覧したウェブサイトの履歴やSNSでの発言、現在の位置情報など多種類のデータを集約。それを分析することで、特定の消費者がどんな属性で、どんな嗜好を持っているのか、今、何を考えているのかを把握できるため、最適な商品・サービスを、最適な販売方法や経路、コミュニケーションで売ることが可能になります。

 これはBtoCに限らず、BtoBのビジネスでも同じです。例えば、日本の町工場。大企業の下請け構造の中にいる、世界に誇る高度な技術を持つ工場がDMPを使ったマーケティングで、その技術を必要としていた海外企業とのマッチングに成功するかもしれません。

 当社は、DMPなどのデジタルマーケティングを企業に提供している会社なのですが、こうした新しいタイプのマーケティングを導入する前に、解決したいと思っている日本の課題があります。

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