2024年12月22日(日)

【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年11月11日

米スタンフォード大学でMBAを取得後、シリコンバレーで起業した経験を持つ女性経営者。帰国後に目の当たりにした日本の課題とは。

石黒不二代(いしぐろ・ふじよ)
1958年愛知県生まれ。80年名古屋大学経済学部卒。94年スタンフォード大学MBA。シリコンバレーでの起業などを経て、2000年から現職。(撮影・松村隆史)

 インターネットが商用化してから約20年が経ちました。25年後には消費やビジネスシーンでも、意識することなくネットが生活に浸透していて、「インターネット」という言葉自体が消えているでしょう。

 今、インターネットのデータをマーケティングに使おうという、いわゆるビッグデータの基盤づくりが始まっています。DMP(データ・マネージメント・プラットフォーム)と呼ばれ、消費者が閲覧したウェブサイトの履歴やSNSでの発言、現在の位置情報など多種類のデータを集約。それを分析することで、特定の消費者がどんな属性で、どんな嗜好を持っているのか、今、何を考えているのかを把握できるため、最適な商品・サービスを、最適な販売方法や経路、コミュニケーションで売ることが可能になります。

 これはBtoCに限らず、BtoBのビジネスでも同じです。例えば、日本の町工場。大企業の下請け構造の中にいる、世界に誇る高度な技術を持つ工場がDMPを使ったマーケティングで、その技術を必要としていた海外企業とのマッチングに成功するかもしれません。

 当社は、DMPなどのデジタルマーケティングを企業に提供している会社なのですが、こうした新しいタイプのマーケティングを導入する前に、解決したいと思っている日本の課題があります。


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