経済の常識 VS 政策の非常識

2014年9月29日

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 政府は、労働時間に関係なく成果に基づき給与を支払うホワイトカラー・エグゼンプションの対象について、「年収1000万円以上」「職務の範囲が明確で、高い職業能力を持つ労働者」と決めた。成長戦略にも明記されているが(「日本再興戦略 改訂2014」2014年6月24日閣議決定)、詳細は、15年の通常国会での関連法改正案提出を目指すとしている。

Dimitri Oths/GETTY IMAGES

 ホワイトカラーの成果が、かかった時間によらない場合が多いのは明らかだから、残業時間に関係なく成果で給与を払うというのは、当然のことだ。しかし、具体的に考えてみるとホワイトカラー・エグゼンプションの議論には分からないことが多い。なお、エグゼンプションとは除外という意味だから、ホワイトカラー・エグゼンプションとは、ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度という意味になる。

 まず、現行でも、労働時間に拘わらず成果で給与を決めることのできる職種は多い。管理職の他に、厚生労働省は19の業種について、裁量労働制という名で、そうすることを認めている。具体的には、理系・文系の研究職、ソフトウェア開発者、ジャーナリスト、デザイナー、番組のプロデューサーやディレクター、コンサルタント、インテリア・コーディネーター、アナリスト、金融エンジニア、大学教授、公認会計士、弁護士、建築士、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士など。他に外回りの営業マンもある。

裁量労働制を使い切る

 ただし、日本の裁量労働制では、休日や深夜勤務には残業代が発生するが、ホワイトカラー・エグゼンプションでは、これが付かない。なお、念のためだが、ホワイトカラー・エグゼンプションにすればいくらでも働かせることができるという訳ではなく、会社には従業員の健康に配慮する義務がある。これは外国でも同じである。

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