ニクソン・ショックにリーマン危機…
世界を震撼させた金融危機

『12大事件でよむ現代金融入門』


中村宏之 (なかむら・ひろゆき)  読売新聞東京本社調査研究本部 主任研究員

1967年生まれ。91年、慶應義塾大学経済学部卒、読売新聞東京本社入社。福島支局、立川支局、経済部、政治部、ロンドン特派員、米ハーバード大学国際問題研究所研究員、経済部デスクを経て2014年より現職。著書に『世界を切り拓くビジネス・ローヤー』『御社の寿命』、(いずれも中央公論新社)など

オトナの教養 週末の一冊

»最新記事一覧へ

銀行出身のベテラン金融マンで、独立系の金融シンクタンクRPテック代表を務める倉都康行さんが、世界を揺るがした最近約40年間の経済事件を振り返りつつ、世界経済や現代金融の現状と背景をまとめた『12大事件でよむ現代金融入門』をこのほど上梓した。倉都さんに執筆の動機などを聞いた。

――本書を執筆された動機はどんなことだったのですか。

『12大事件でよむ現代金融入門』
(倉都康行、ダイヤモンド社)

倉都:金融危機のケーススタディではないですが、それを拾い上げて、最近のリーマン危機だけが特殊な事象ではないということを解説する本を書いてはどうかと勧められました。大学で学部生に教え始めたこともあって、学生や一般の人にもわかりやすい形で提示しようと思って書きました。スタートをどこにすればよいか考えましたが、現代金融というとニクソン・ショックかなと思いましたので、それをスタートとしました。自分が同時代で経験していることをつなぎあわせて、数えてみたら12のストーリーがありましたので、12大事件としました。

――もともと銀行マン出身ですが、すべての事件はご自身の金融での経験に基づいているのですか。

倉都:第1章のニクソン・ショック以外は関係しています。ニクソン・ショックだけは自分が高校生の時の出来事です。当時、専門知識はありませんでしたが、ずっと強く印象に残っていて、大学を卒業して就職する時にも「ドルと円」など為替相場のことがずっと頭の中にこびりついていて、結果的に、就職先を旧東京銀行を選んだ伏線にもなりました。

 当時は、円高で輸出に悪影響が出て、日本経済もだめになるみたいな論調が出ていたことを覚えています。ただ外国為替がどんなものか当時はよくわかりませんでした。そういう意味もあって、ニクソン・ショックをスタートとしました。

――東銀では外国ディーラーだったのですか。

倉都:為替というよりは資本市場という部門があって、ちょうど銀行が証券ビジネスを始める時代でした。銀行にとっては新しい部門で、日本では勉強できないので、海外で勉強してこいということになりました。そこで1982年、ロンドンの現地法人に転勤することになりました。以来、そればかりやっています。債券のほか、エクイティ、為替、デリバティブ、コモディティなどもいろいろ入ってきて、それなりにおもしろい経験を積みました。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「オトナの教養 週末の一冊」

著者

中村宏之(なかむら・ひろゆき)

読売新聞東京本社調査研究本部 主任研究員

1967年生まれ。91年、慶應義塾大学経済学部卒、読売新聞東京本社入社。福島支局、立川支局、経済部、政治部、ロンドン特派員、米ハーバード大学国際問題研究所研究員、経済部デスクを経て2014年より現職。著書に『世界を切り拓くビジネス・ローヤー』『御社の寿命』、(いずれも中央公論新社)など

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍