WEDGE REPORT

2015年1月19日

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ボランティア精神と人脈こそが、シリコンバレーのイノベーションの源泉。マネーは稼いだ人から、必要とする人へと常に循環していく。

 イーロン・マスク氏が2003年に創業した電気自動車(EV)メーカー・米テスラモーターズ。同社のセダンタイプEV「モデルS」は西海岸で最も売れている高級車といわれる(価格は約800~1200万円)。

 サンフランシスコに到着した当初、「あ、テスラだ!」と走行しているのを見るといちいち反応していたが、何度も見かけるのでそれほど驚かなくなった。14年第3四半期、モデルSの販売台数は7785台で過去最高になった。開発コストの増加などで赤字の状況ではあるが、その人気は高まるばかりだ。

 サンフランシスコ市内から南に向かって自動車で30分、シリコンバレーのなかにエバーノート(ネット上に文書や画像などの各種データを保存・共有するサービスを提供するIT企業)のアメリカ本社がある。そこで日本法人会長の外村仁さんが出迎えてくれた。

引き算ができない
日本のモノづくり

エバーノートの外村仁さん。背景は、チョークアーティストのダナ・タナマチさんが描いたエバーノートのロゴ。シリコンバレーでは、伊藤園のお茶もクールなドリンクとして人気を集めているという

 外村さんは、米アップルを経て、00年に動画のストリーミングを行う会社を起業した経験を持つ。だが、自身の起業経験を若い起業家たちに話すことはもうないという。

 「環境が激変し、10年前の経験は今では残念ながらほとんど役に立ちません。例えば、私たちが起業するときには1200万ドルの資金調達をしましたが、今ではその10分の1も必要ないと思いますし……」

 外村さんの目には、日本のモノづくりはどのように映っているのだろうか。「よく言っているのは“引き算”ができないということです」。テレビやオーディオをはじめとして高機能化した各種家電製品などは、その典型例といえる。多機能を競うあまり、使わない機能が多く盛り込まれて、結果として使い勝手が悪くなってしまった。「操作感を良くするためのUI(ユーザーインタフェース)や、使用実感を高めるUX(ユーザーエクスペリエンス)が、シンプルで直感的な製品とは真逆の方向」となってしまったものが多いという。

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