【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年11月13日

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第二電電(現KDDI)を最初に、5つの会社を興した千本倖生氏。今年4月からは「グレイヘア」(経験豊富なアドバイザー)としてベンチャー企業の支援を行う。これからの起業家に必要なことは何か訊いた。

 私は42歳のときにNTT(旧日本電信電話公社)を退社して、第二電電(DDI)を興しました。独占、規制、そして巨大組織に挑む。そうすることで通信業界に競争が生まれ、国のためになる。これが、このときの私が描きうるなかで “最大の夢”でした。幸いなことに、この夢は実現させることができました。なぜかといえば「続けた」からです。共に創業した稲盛和夫さんや、松下幸之助さんから「止めれば失敗になる」と、繰り返し言われました。

千本倖生(せんもと・さちお)
1942年奈良県出身。京都大学工学部電子工学科卒業。フロリダ大学修士・博士課程修了。工学博士。 (撮影・井上智幸)

 夢は小さく描いては駄目です。それは自分で自分の能力を制限してしまうようなものです。私は会社を興すたびに大企業に挑んできたわけですが、その大企業に今、元気がありません。どこかで「このくらいしかできない」という諦めの気持ちがあるのではないでしょうか。

 NTTにいながら、私が巨大組織に挑もうという気持ちになったのは、アメリカを知ったからです。留学した大学の寮のルームメイトからどんな会社で働いているの? と聞かれたので「電電公社という政府の100%出資で、日本で唯一最大の電話会社に勤めている」と答えると、「damn(クソ野郎)」と吐き捨てるように言われました。

 牧師の息子で普段は紳士であるルームメイトの口からそんなスラングが出てくるので驚きましたが、だんだん理由が分かってきました。アメリカ人が大事にしているのは何事であれチャレンジすること、リスクをとって「事」を起こすことなのだと。

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