2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2015年1月27日

バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)が世界的に注目されている。既に米軍や医療の世界でシミュレータとして使われ、日本でもモデルルームの代替として使用されるなど、産業への活用が広がっている。

 2014年10月16日、ソーシャルネットワークサービス大手の米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが来日し、都内で行われたイベントにサプライズゲストとして登場した。同年3月に、バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)を実現するヘッドマウント型ディスプレイOculusRift(オキュラスリフト)を開発している創業1年半のベンチャー企業OclusVRを、20億ドルで買収し、世界に衝撃を与えた。

VRもスマホのように受け入れられていく可能性を語るザッカーバーグ氏 (REUTERS/AFLO)

 イベントの中で「スマートフォンがここまで当たり前になったように、VRやウェアラブル端末のような新たなコンセプトやデバイスは、今後5~10年かけて成熟、一般化していくだろう」と、VRが今後コンピュータ産業の様子を大きく変えていくと語った。

 今、OculusRiftに、世界的に高い注目が集まっている。VRデバイスは1990年代に商品化が始まったものの、当時の技術ではCG映像の品質は低く、値段も数百万円と高価で、魅力的なコンテンツもあまり登場しなかった。その後、ブームは沈静化し、忘れ去られた分野になっていた。

 ところが、近年の液晶パネル技術の高精細化と低価格化、CG映像を作成するために必要なコンピュータ性能が向上したことによって、90年代では実現できなかったような低価格で、ハードもソフトも登場する素地が生まれた。そのタイミングに現れたのが、OculusRiftだった。

 昨年3月に、最初の開発者向けハードウェアのデベロップメントキット1(DK1)が発売され、1年で6万台が出荷された。ただ、DK1は映像の質も低く、ビジネス的な実用性はまだまだ先に感じられるハードだった。

 その後継機として、7月末に開発者向けハードのデベロップメントキット2(DK2)がリリースされ、大きく評価が変わった。VRをハイビジョン画質で見ることができ、頭の動きを検出する機能が搭載されているため、頭の向きを変えると滑らかに、その動きに合わせてCG映像が切り替わる。DK1よりも、はるかに没入感が高くなり、350ドルと安価だ。


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