世界の記述

2015年6月3日

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 世界でも指折りの日系企業進出先であるタイ。今やタイで活躍する日系企業は7,000を超えると言われており、自動車関連業が主要な業種だ。1997年のアジア通貨危機を契機に自動車製造輸出拠点として方向転換を図り、今ではASEAN諸国はどこへ行っても日本車が8~9割という圧倒的シェアを誇っている。

 この日系メーカーの牙城を崩したいのが中国本土資本メーカー、韓国、ヨーロッパ勢などだ。彼らの日系メーカーを狙い撃ちする戦略をタイの政策や経済環境と絡めて見てみよう。

 ASEANと言えば2015年のASEAN経済共同体(AEC)発足による関税撤廃などメリットが強調されるが、もともとASEANはインド、中国、韓国などとFTAを結んでおり低い関税を利用した低価格車投入戦略が早くから予想されていた。

 在タイ日系部品メーカーは、11年にタイ国内で起きた大規模洪水被害からの復旧と並行して、完成車メーカーから「競合は現状の4割安で市場に投入してくる、現状と同じまたは改善した品質で価格は4割引きで」と12年の時点で通達されており、AEC統合による競合の戦略を迎え撃つための研究開発に余念がない。

2011年、洪水被害を受けたホンダの工場(BLOOMBERG/GETTYIMAGES)

 AEC統合はタイにとって自国の自動車産業へのダメージ(低価格の他国製車が好調であれば自国産が不調となる)が避けられない。国内産業保護のため、「エコカー政策」のもとにCO2連動税が16年に導入される予定だ。対応した小型低燃費クリーン車メーカーには税金を優遇するという。

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