チャイナ・ウォッチャーの視点

2009年10月8日

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中国のアフリカ進出ますます盛況なり

 10月1日前後の数日間、世界のメディアが揃って「中国建国60周年記念式典」関連の情報を報じる中、英国の経済紙フィナンシャル・タイムズはあえて別の、中国関連の話題を連日熱心に伝えていた。

 中国の国営石油会社、中国海洋石油(CNOOC)が、シェル(蘭)、エクソンモービル(米)、トタル(仏)といった欧米の石油メジャーと、ナイジェリアの石油利権を競り合っているというニュースである。

 中国がアフリカで、なりふり構わぬ「資源外交」を繰り広げていることは日本でも周知だが、ナイジェリアでの石油利権争奪戦はつぎの2つの点で看過できない。

 まず、CNOOCは、ナイジェリアの推定石油埋蔵量の6分の1にあたる60億バレルもの量を狙っているという。参考までに、60億バレルとはわが国が世界中から輸入する原油総量の4年分に相当する。さらに、中国がこれまでに、スーダンやアンゴラなど他のアフリカ諸国で確保した原油総量47億バレルをも上回る量だ。

 問題は量だけではない。この争奪戦は単なる経済競争の域を超え、西側諸国にとって国際政治上、あるいは安全保障上の問題を孕んでいる。

 ナイジェリア政府は、「われわれは伝統的な友人(西側)も大切にするつもりだから、中国がナイジェリアの原油の6分の1を手にすることはないだろう」とコメントしつつも、中国が、従来の欧米諸国との契約額の何倍もの額を提示したと明かし、「この(値上げ)競争を楽しんでいる」とも語った。

 中国による法外な権益料の提示には、原油権益の相場のみならず、アフリカ諸国の価値観をも撹乱し、チャイニーズ・スタンダードに引きずり込もうとの狙いが透けている。
他方、中東情勢急変の際の「ヘッジ」でもあるアフリカの原油を中国に押さえられることは、欧米のみならず日本にとっても重大なリスクだ。

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