WEDGE REPORT

2015年12月15日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 保険の乗り合い代理店の最大手、「ほけんの窓口」が過去5年で店舗数が3倍、この5カ月でも3割以上も契約高を伸ばすなど絶好調で、保険業界で1人勝ちの状況だ。2013年7月に今野規夫前社長が不動産取引にからむ消費税法違反で在宅起訴されるという不祥事を受けて急きょ社長に就任、「第2の創業」を掲げて、マネジメントを抜本的に改革し成長に導いてきた窪田泰彦会長兼社長に業績好調の秘訣を聞いた。

Q 「ほけんの窓口」が急成長した理由は

A 大きくいって2つある。1つは保険業界の歴史的な変化で、これには4つの理由がある。1つは保険商品の革命が流通革命を起こした。2番目は消費者としての意識行動が変わり、これまでの売り手市場から買い手市場になった。3つ目は社会構造の変化で、保険会社が売る商品から消費者が自分の身の丈にあった商品を買い求めるようになった。4つ目は生保、損保がワンストップ化となった。これらが我々の出番を作り、さらに成長の背中を押している。ではそういう変化が起きたらどこも成長できるかと言うとそうではない。

 われわれは顧客を100%主人公にして、顧客と向き合った仕事をするよう機会あるごとに徹底的に社員を教育して、意識改革をしてきたからできた。一方で、世の中では相変わらず手数料、自分の収入に軸を置いた保険募集が行われているのではないかと業界の人間として心配している。

ほけんの窓口新宿店

Q 今年の業績はどのくらい伸びそうか

A 新規契約件数は外商部隊のライフプラザパートナーズ(LPP)が外れるが、2015年度は70万件(14年度52万7千件)にはなるだろう。新契約高は医療、がん保険など契約高が低いのが増えているため2兆1000億円(同2兆710億円)くらい、損保収入が270億円(同247億円)、店舗数は銀行などのアライアンスを含めて630店(同564店)、社員数は3800人(3655人)まで増えそうだ。
7月から6月までの会計年度だが、今年の7月から11月まで5カ月連続で入口の契約高が33%伸びている。これはコツコツ営業としては驚異的な数字だ。これを裏付けるように来店者数が3割以上伸びている。これが「ほけんの窓口」の原点であり、来店してもらわないとビジネスが成り立たない。

Q 来店した顧客に満足してもらうために社員の人材研修に力を入れているそうだが
A 全国に5カ所ある研修センターを使って年間30億円かけて研修をしている。特に力を入れているのが、顧客の話を聴く力だ。自分の思いは語らずに、相手の意向を聞き出して、顧客の家族構成や負担能力に合わせた商品設計を提案する。この力を訓練するのが大変だ。保険商品の説明をしていて、顧客が理解してないと分かったら、説明はそれ以上続けず打ち切りなさいと指導している。顧客の側がインターネットで事前に調べて情報武装して来店するので、それに対応できないと相手にされなくなる。

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