リクルート卒業生の起業家とTwitterの出会い

Twitter Japan・笹本裕代表取締役インタビュー


Wedge編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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Twitter Japanの笹本裕 代表取締役(51)は、大学卒業後リクルートに入社し、MTV社長、マイクロソフトアジア太平洋地域統括マネジャーを歴任したほか、2度の起業も経験もしている。常に新しいことにチャレンジするキャリアを選んできた理由は何か? Twitterでどんなことをしようとしているのか聞いた。 

編集部(以下、――):2016年、Twitterも含めて業界の動きとして注目していることは

笹本裕氏(以下、笹本氏):2016年は「映像戦国時代」になると思います。映像がどんどん扱いやすくなっています。Twitterでも、昨年から「Periscope」と いうサービスを開始しました。簡単に言えば、スマートフォンを使って映像でライブ中継をするわけです。ライブで見ることはできなくても、動画は24時間保存されます。気に入った映像があれば、TwitterでURLをツイートすることもできます。海外のメディアでは、Periscopeを使って緊急性の高い事件を中継するといったことも行っています。

――Periscopeはまさに動画版Twitterといった感じですね

ささもと・ゆう。タイ・バンコクに生まれ。2014年にTwitter Japan代表取締役に就任

笹本氏:Twitterでもそうですが、ストーリーがある方が拡散されやすい。映像によって、ストーリーの表現力がより豊かになると思います。リアルタイムで情報発信をする人がいる一方で、その情報を収集する人もいる。そしてデータが蓄積されて行く。 Twitterのようなメディアが面白いのは、使えば使うほど美味しくなり、プラットホームとしての価値が高まっていくことだと思います。

――2015年はIoT(Internet of Things)という言葉がブームになりました。Twitterでは、それに関係するようなサービスは考えていますか。

笹本氏:ここはユーザーに期待したいです。より多くの人、アイデアを持っている人に使ってもらえればと。例えば、天気予報で、リアルタイムで起こっている天候を知ることは難しいですが、Twitterのツイートと併せることで、情報の精度を高めることができます。また、Twitterを通じてリアルタイムで交通システムの遅延情報を知り、どこの駅に向かえばいいのか知ることができるということに、興味を持ったタクシー会社さんもいます。何でもかんでもサービスにしようとするのではなく、そこはプラットホーム、場づくりに専念したいと思います。

 最近は、30歳以上でのTwitterの利用が盛んです。20代と30代、男女での差異はあまりありませんが、若い人は積極的に情報を発信しています。対して、年齢が高くなると、発信された情報を消費する側へと変わる傾向があります。そのような特徴をつかんだ上で、若い人にはツイートを流すことを促すような発信をし、年齢層の高い世代には受容しやすい情報を提供していくことが求められます。

 繰り返しになりますが、利用者にとってのTwitterの価値とは、ツイートに留まらず、リアルタイムでの情報を得られるということです。世の中で起きていることをリアルタイムで提示するべく、日本発のサービスとしてニュース機能も昨年に開始しました。

――ビジネスシーンにおけるTwitterの魅力はどのような所にあるでしょうか

笹本氏:マーケティングでは次のようなことが言えます。まず、年齢や性別といった属性ごとのマーケティングが一般的ですが、Twitterを見ると、性別といった属性の違いがあまりないことが分かります。女性向け、男性向けと打ち出していても、想定した購買層とは異なる層が商品を購入しているということが少なくありません。潜在化している購買層をどのように発見するのか。そうした興味関心のチューニング、ターゲッティングを上手くできるようにするのがTwitterの役割でもあります。

ツイートされた地点を分析すると、見事に鉄道の沿線上に集中していることがわかる。(画像:Twitter Japan提供)
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 また、時期性と個人の感想が反映されて顕在化されるという点で、理想的なツールだと思います。例えば、Twitterでクリスマスについてのツイートが現れ始めるのは、9月頃からです。それから12月にかけてつぶやかれる内容は時期ごとに全く異なります。9月頃にはクリスマスを待ちわびるような内容で、11月頃になると「今年もクリスマスは一人だ」といったツイートが見られるようになります。そうすると、ブランディングの観点から言えば、「寄り添うようなイメージ」が必要になると言えます。

――広告部門におけるTwitterの役割とは

笹本氏:広告はテレビからデジタル領域へと移っています。Twitterであれば、ハッシュタグを通じてより適切な消費者に導線を結ぶことができます。さらに、モバイルにおいてリアルタイムでのエンゲージが可能であるため、通勤通学の時間など、より適切なタイミングを狙うことができます。また、中小企業などでも使いやすいように「セルフサービス式Twitter広告」も始めています。

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