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2016年2月3日

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村中璃子 (むらなか・りこ)

医師・ジャーナリスト

医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。京都大学大学院医学研究科非常勤講師も務める。

 日本時間の2月2日未明、WHO(世界保健機関)は中南米を中心に感染拡大を広げているジカ熱の流行に対し「緊急事態宣言」を出した。

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 WHOと言えば2003年にSARS(重症呼吸器感染症)の世界的な流行を食い止めて、プレゼンスを上げた国連専門機関。しかし、2009年の新型インフルエンザには、早々に「パンデミック」を宣言して空振りし、メーカーに緊急で製造させたワクチンが世界中でだぶついて問題に。その反省を踏まえて対応した2014年のエボラ出血熱では、感染が西アフリカに広く拡大してからの緊急事態宣言で「対応が遅すぎる」との強い批判を浴びた。

 未知の病原体の流行パターン予測は、天気予報以上の当たり外れがある。古巣だからと擁護するわけではないが、扱っている相手が相手だけに、対応が早くても遅くても批判されるWHOに筆者も少々同情する。

ジカウイルスは無害とみなされていたが……

 ジカ熱は2014年に日本でも感染者を出したデング熱と同じヒトスジシマカ、白黒のいわゆるヤブ蚊がウイルスを媒介して感染する病気だ。感染者の8割が無症状と言われ、発症しても熱や倦怠感、筋肉痛・関節痛、発疹や結膜炎などといった症状がでるだけなので、風邪やデング熱など他のウイルス感染症と臨床的には区別がつかない。重症化することや死亡することは極めて稀で、これまでは世界に何百とある大した害のないウイルスのひとつと考えられていた。

 ところが2015年5月にブラジル初のジカウイルス感染者が確認されると、年末にかけて新生児の小頭症との関連性が疑われる妊婦のジカウイルス感染例が次々と報告されるようになった。英BBCの報道によれば、その数は昨年10月以降に報告されただけで4000例。そのため、昨年末から急激に世界の耳目を集めることとなり、世界はこの未知のウイルスに関する既知の情報をかき集めようと壮大な一夜漬けを始めた。

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