対アフリカ政策における協力模索を


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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メザーヴィ米ヘリテージ財団アフリカ・中東政策アナリストが、1月15日付の同財団のサイトで、米国のアフリカ政策について、4つの優先課題(テロへの対応強化、経済自由化の推進、中露の影響力拡大への警戒、民主化の支援)を提示しています。主要点は次の通りです。

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 2015年にはいくつか前向きなことがあった。ナイジェリアでは新大統領が平和裡に選出され、米議会は対チュニジア支援を再確認し、AGOA(米の対アフリカ特恵法)は延長された。しかし2016年は多くの課題がある。リビアへの戦略は不明確で、民主化の進展は後退し、テロなどの危険は増している。米国にとっては4つの優先課題がある。

アフリカ政策における4つの優先課題とは

 第1は、政治暴力やイスラム・テロに対処することである。ナイジェリアのボコ・ハラムは2014年にISISより大きな勢力になった。ソマリアとケニアではアル・シャバブが活動している。ISISはリビアに拠点を築き石油資源を狙っている。マグレブ地域のアルカイダは過激派の巣窟になりマリやサヘル地域を不安定化させている。中央アフリカ、ブルンジや南スーダンでは対立が起きている。米国は、①対テロ軍事支援の継続、②地域関係国への支援をすべきだ。

 第2は、経済自由化を支援することである。商品価格の低迷により、ザンビア(銅)、アンゴラやナイジェリア(石油)などは大きな問題に直面している。中国経済の減速も影響している。世銀は、2015年のアフリカの成長が4.2%だったとしている。かつて2002-8年は平均6.4%だった。米国は、ビジネス環境の改善を求めていくべきだ。

 第3は、中国、ロシアの対アフリカ影響力増大を警戒すること。2009年に中国はアフリカの最大の貿易相手国になった。中国は自国の投資を守るために従来の内政不干渉方針を変えている。2015年には南スーダンでの石油権益を守るためにもPKOを派遣した。2000年以降中国のPKO参加の8割はアフリカに向けられている。2015年11月にはジブチに軍事拠点を置くことを明らかにした。習近平は2015年12月南アを訪問し、今後3年間に600億ドルの対アフリカ支援を約束した。ロシアも関心を高めている。ガズプロムとルクオイルがアルジェリアで活動している。アフリカでも米国は中露と競争することにならざるを得ない。

 アフリカとの友好関係を強化するため、米・アフリカ首脳会議を毎年あるいは隔年開催することを考えるべきだ。また独、英、仏などアフリカで活動する同盟国との協力を強化していくべきだ。

 第4は、民主化を支援すること。オバマがアフリカの民主化の重要性を強調してきたことは良いことだ。しかし、昨年のオバマのエチオピア訪問は不必要だった。同国は最も抑圧的な国家だ。オバマ政権はアフリカの民主化政策に熱心でない。米国は、民主化へのコミットメントを強化すべきだ。

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