WEDGE REPORT

2016年3月2日

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桑田英彦 (くわた・ひでひこ)

ライター/フォトグラファー

音楽雑誌の編集者を経て渡米。1980 年代をアメリカで過ごす。帰国後は雑誌、機内誌や会員誌などの海外取材を中心にライター・カメラマンとして活動。アメリカ、カナダ、ニュージーランド、イタリア、ハンガリー、ウクライナなど、海外のワイナリーを数多く取材。著書に『ワインで旅するカリフォルニア』『ワインで旅するイタリア』『英国ロックを歩く』『ミシシッピ・ブルース・トレイル』(スペースシャワー・
ブックス)、『ハワイアン・ミュージックの歩き方』(ダイヤモンド社)、『アメリカン・ミュージック・トレイル』(シンコーミュージック)等。雑誌『サファリ』にてカリフォルニアのホテルのコラムを連載中。

アメリカ最大のフード・イベント
「テイスト・ワシントン」

テイスト・ワシントンの会場にはワイナリーやレストランのオーナー、ワインメーカー、シェフなどが州内から一堂に会する

 毎年3月末にシアトルで開催される「テイスト・ワシントン」というイベントがある。マイクロソフトやアマゾンなど、収益好調な企業を擁するシアトルの豊かさを象徴するような“美味しい”イベントで、世界中から多くのワイン愛好家が集まってくる。今年も3月31日から4月3日まで開催され、開催中はパーティ、セミナー、様々なファーム・ツアーなど盛りだくさんのプログラムが用意されている。

 中でも興味深いのがメイン会場(CenturyLink Field Event Center)で行われるテイスティングだ。ワシントン州内のワイナリー、ブリュワリー、レストランなどが一堂に会し、自由に会場内を歩き回りながら趣味嗜好にあったテイスティングが楽しめるのだ。全米でも有数のグルメ都市となったシアトルならではのアメリカ最大規模を誇るフード・イベントである。

ワシントン州のワインの歴史

多くのフード関係者の参加も多く、種々様々な試食もテイスト・ワシントンの大きな楽しみだ

 ワシントン州のワインの歴史は古く、1825年に最初のワイン用のブドウが植えられた。その後品種改良が進み、1860年頃には有名なワラワラ・ヴァレーでブドウの栽培が始まっている。カスケード山脈の雪解け水を利用可能になり、肥沃な火山性土壌と温暖で長い日照時間という自然環境がブドウ栽培の可能性を一気に押し上げ、20世紀に入るとワイン用のブドウ栽培地が急速に拡大していった。禁酒法が撤廃されると政府の認可を受けたワイナリーがピュージェット湾のストレッチ島に開業後、1938年までには州内各地に42のワイナリーが登録されている。1960年代には商業規模のブドウ栽培が確立された。

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