田部康喜のTV読本

2016年2月13日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 NHK BSプレミアム「はぶらし 女ともだち」(毎週火曜夜11時15分)は全8話中の5話が、7日に一挙再放送された。高校時代の同級生だった、真壁鈴音(内田有紀)と古澤水絵(池脇千鶴)が繰り広げる「心理劇」は、回を追うごとに視聴者を増やし、初回からの展開を観たいのだろう。

 第1話「予感」から欠かさず観ている私もドラマの展開が待ちきれない。そればかりか、初回から背筋に震えが走る。

 シナリオライターとして成功を収めている鈴音(内田有紀)の自宅マンションに、雨のふる深夜、水絵(池脇千鶴)が6歳の息子の耕太(手塚勇輝)を連れてやってくる。「夫と離婚して働いていたが、リストラされて、再就職口を探す2日間だけ泊めて欲しい」というのである。

 鈴音にとって、水絵は高校の合唱部で一緒だったという以外は、さして親しい仲ではなかった。それが20年ぶりに訪ねてきたのだ。深夜でもあり、断りづらかった鈴音は、水絵親子をマンションに入れる。

 「はぶらしがなくて、あったら私と耕太の分を貸してくれない。明日にはコンビニで買って返すから」と、水絵はいう。鈴音は買い置きの、はぶらし2本を差し出す。

 翌朝、水絵は借りたはぶらしを水絵に差し出す。「どうもありがとう。これ返すから」と。新品を返すならわかるが、使ったものを平然と返す水絵に、鈴音はちょっと表情を固くする。

崩れていく日常

 「はぶらし 女ともだち」の原作は、近藤史恵である。脚本は横田理恵と森山あけみ、鹿目けい子の3人が回ごとに担当している。

 ドラマは、原作にはない鈴音の不倫相手である、プロデューサーの柳井護(尾美としのり)らを加えて、水絵によって鈴音の日常が崩れていく様子がより浮かび上がる。

 水絵がやってきた2日目の朝、鈴音が起きると時刻はすでに午後3時半を回っている。頭が重いのは、前夜に水絵とふたりでワインを飲んだなごりかと思う。

 水絵親子はマンションにはいない。ふたりは橋の欄干のそばにすわって、コンビニで買ってきたと思われるサンドイッチを食べている。

 マンションに戻ってきた水絵は、再就職活動がダメだったことを鈴音に告げて、1週間だけおいてもらえないか、と頼むのだった。鈴音は押し切られる。

 その後、鈴音がたまたま水絵のバックにつまずいて、中身が散乱したときに、睡眠薬がはいった袋をみつける。「水絵がワインに睡眠薬を入れたのではないか」と、鈴音のなかに疑惑が広がっていく。

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