日本市場に吹き荒れる「中国民泊」旋風

最大手「自在客」CEO独占インタビュー
「Airbnbは射程圏内にある」


WEDGE編集部 伊藤 悟 (いとう・さとる)

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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よく似たAirbnb(上、中国語版)と自在客(下、日本名:じざいけ、中国名:ツーザイクゥ)のホームページ

 「民泊といえばAirbnb(エアビーアンドビー)」、「Airbnbといえば民泊」という構図が日本で崩れつつある。

 業界勢力図を塗り替えているのは中国企業だ。米国発の民泊仲介サイトAirbnbの3月時点における日本国内のリスティング数(≒提供部屋数)は約2万6000件。だが、中国系民泊仲介サイトの一つ、「自在客(日本名:じざいけ、中国名:ツーザイクゥ)」は日本国内で既に約1万2000室を提供している。

 1年前、Airbnbのリスティング数が1万件を割っていたことを勘案すると、その影響力の大きさに驚く。

 日本でサービスを展開している中国系民泊仲介サイトは「自在客」だけでない。「途家(トゥージャ)」、「住百家(ジュバイジャ)」といった企業も、日本で日々物件数を増やしている。

 中国企業が急速に存在感を高める背景にはAirbnbと重複登録する日本人ホストの存在がある。ホストとは民泊仲介サイトを通じて物件を貸し出す人を指すが、Airbnbの名が知れ渡り、「ゲスト獲得競争」が激化するにつれ、同サイトよりは比較的ゲストを集めやすい中国系民泊サイトに重複登録するホストが増えているのだ。

 全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)は、ホテル・旅館から客を奪う可能性がある民泊に猛反対しているが、その裏ではホテルや旅館が民泊仲介サイトの集客力を頼ってホスト登録する動きが出始めている。

 中国系民泊サイトでは、ホストとゲストのやり取りは主に中国語で行われるが、宿泊料金の2~3割が相場の手数料を代行業者に払えば、清掃を含めやり取りも担当してくれるため、ホスト自身が中国語を理解できる必要はない。つまり日本人ホストも抵抗なく使用できる。

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