WEDGE REPORT

2016年6月27日

»著者プロフィール
著者
閉じる

村中璃子 (むらなか・りこ)

医師・ジャーナリスト

医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。京都大学大学院医学研究科非常勤講師も務める。

 解析を請け負った名古屋市立大学の鈴木貞夫教授は、Wedge編集部の取材に対し、「名古屋市からの許可がないので取材には対応できない」とする。

 仕方がないので市に「最終報告書で速報から何か大きく結論は変わるんですか?」と問うと、担当者は「変わらないです。変わったら困っちゃいますよね」と答えた。

 ではなぜ、市は、6月18日のウェブサイト公開で、速報と結論の変わらなかった最終報告書を公表せずに、集計結果だけにとどめたのか。そして、オッズ比の開示や、「有意差がない」という結論部分の開示を避けたのか。

 6月20日のWedge編集部の電話取材に対し、担当者の回答は次のようにまごついた。

市「疫学の解析について、専門家がいない市では評価できない。解析部分についての公表は差し控えたい」
編「名古屋市立大学の解析結果、つまり有意差がないという速報の結論を市は最終的に否定するということか」
市「名古屋市立大学の解析結果は否定しない」
編「なぜオッズ比を表から消してしまったのか」
市「オッズ比は解析の結果だから、市としての発表になじまない」
編「市立大学の解析結果を否定していないのに?」
市「いち解析結果ということ」
編「最終報告書にあるはずの、市立大学の最終的な解析結果を見たい。が、鈴木教授は市の許可がなければ取材に応じられないといっている。市が最終報告書を出さないのなら、鈴木教授に依頼するので、市はその許可を出してほしい」
市「その許可は出せません」
編「なぜか」
市「市からの委託契約で市立大学は解析しているからです」
編「生データが市の財産であることは理解できなくはないが、解析は鈴木教授が研究者としてやっているのだから、その研究成果を市が闇に葬るのはおかしいのではないか。これから先も最終報告書、市立大学の最終解析結果を開示する考えはないのか」
市「報告は今回で終わりです」

 速報から変わることのなかった「有意差がない」という最終解析結果、つまりワクチン接種と症状の間に因果関係はなかったという結論を否定はしないが、公開はできないという名古屋市。一体、なぜなのか。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る