ASEANスタートアップ最前線

2016年7月12日

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宮崎学 (みやざき まなぶ)

ベンチャーキャピタリスト

IMJ Investment Partners, Principal。2011年に株式会社電通に入社。以来、一貫してデジタル・マーケティング業務に従事。大手通販企業や金融機関のクライアント担当として、デジタルメディアを活用したマーケティング戦略立案と、事業成長にコミットした広告運用を得意とする。2015年、IMJ Investment Partnersに参画。ASEAN各国の投資案件発掘に加え、投資先の経営支援を行う。日本企業のアジア進出支援、アジアベンチャーの日本進出支援も担当。筑波大学にて学士(国際関係学)、東京大学にて工学修士(技術経営戦略学専攻)を取得。

※IMJ Investment Partnersは、シンガポールを拠点に、東南アジア全域で活動するベンチャーキャピタルです。本連載、並びにIMJ Investment Partners へのお問い合わせ・ご要望はこちら

 2015年11月、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟が、先の総選挙で与党の連邦団結発展党を圧倒した。ミャンマーに、遂に自由民主主義と法の支配が訪れる、と、世界中が歓喜した。それに応じるかのように、ミャンマーのスタートアップからの問い合わせが今年に入って増加した。各所で実施されるスタートアップ関連イベントでも、ミャンマー発の企業に出会う機会も増えたと実感していた。

 そのような中で、遂に、私はミャンマーの旧首都であるヤンゴンを訪れる機会があった。東南アジア最後のフロンティアと言われるミャンマー。そのミャンマーで活躍する現地のアクセラレーターやスタートアップを数社訪問した。今回の記事では、ミャンマーのテックシーンについてご紹介したい。

ヤンゴン中心部のスーレーパゴダ通り(筆者撮影、以下同)

複雑な事情を持つミャンマー
ITインフラはここ数年で急速に発展!

 まずは、ミャンマーの国の概観について紹介したい。東はタイ、西はバングラディッシュ、北は中国に挟まれた、5000万人を超える人口を抱える、東南アジアでは比較的大きな国だ。マジョリティーはビルマ族だが、地方には首長族でカヤン族など、多数の少数民族も内包している。

 仏教国だが、バングラディッシュの国境付近ではムスリムとの対立はしばしば起こっており、ロヒンギャの迫害などが最近では報道されている。戦後、軍事政権が長らく政権を握っていたが、2011年に新政府に権限が委譲、課題は残るものの民主化が一気に進んだ。このように、民族・宗教・政治、複雑な歴史を歩み続けたミャンマー。一人当たりGDPは 1000ドルを下回り、未だに農業が産業の中心だ。工業化・近代化はまだまだこれからと言って良い段階だ。 

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