WEDGE REPORT

2009年12月20日

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 外交や安全保障等でまとまらないウイングの広い民主党で、ほぼ唯一の共有テーゼが地方分権である。自民党との違いを見せるために呼び替えた「地域主権」を主要議員は必ず掲げる。

 鳩山政権は地域主権戦略会議を置いたが、「具体的なビジョンは不明」(佐々木信夫・中央大学教授)。ただ、政権交代を挟んで開かれてきた地域分権改革推進委員会(座長:丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長)で大方議論は尽くされ、「丹羽委員会は自民党寄りでもない」(同)ため、民主党が面子に拘らなければその勧告がベースとなるだろう。

 丹羽委員会の勧告の柱は、義務付け・枠付けの見直しと地方の税財源の拡充である。議論が生煮えになった後者は、地方分権論議に内在するもつれを端的に示す。

 「国と地方の税源配分は6対4なのに、仕事(歳出)は4対6」と表現されるこの問題に対し、丹羽委員会は税源配分の目標を5対5とすることを勧告した。これを分権思想に適うと単純に理解すると事の本質を見誤る。

 地方の不足財源は、国から地方交付税等が配られている。税源配分を変えるなら、その調整のあり方も変えなければならないが、まとまらないため税源配分5対5だけでお茶を濁している。

 交付税等を縮小しその分地方税を単純に拡充すると(右図Aパターン)、地方税は都市と地方で税収に差があるため、自治体間格差が拡大する。それは困ると地方の側は、交付税等を維持するBのイメージを求めるが、国の財政が悪化するため財務省が反対する。

 増税を封印したまま妥協点を探るには、Aパターン起点なら地方税の中で水平移転(裕福な自治体から他の自治体へ配る)し、Bパターン起点なら義務付け見直しとセットで、国が使途に制限をつけ地方が自由に使えない国庫支出金や交付税等のひもつき部分を縮小するといった調整が必要だ。

 これはどちらも地方にとっては難題だ。前者は地方税収が圧倒的な東京の反発があるし、後者は地方の「甘え」を乗り越えなければならないからだ。

 

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