世界の記述

2016年8月23日

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水谷竹秀 (みずたに・たけひで)

ノンフィクションライター

1975年三重県桑名市生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業、カメラマンや新聞記者を経てフリーに。2011年『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』(集英社)で開高健ノンフィクション賞受賞。近著に『脱出老人』(小学館)。

 ドゥテルテ政権発足から7月30日で1カ月が経過した。民間調査機関のパルスアジアがドゥテルテ大統領の信任に関して行った世論調査で、「大統領を信頼している」と答えた国民は91%に上り、歴代大統領で最高を記録した。

麻薬密売人の殺害現場を遠巻きに見守るスラム街の住民達(Getty Images)

 調査は全国の1200人が対象で、7月2日から8日に行われた。この結果を受けてアンダナー大統領府報道班長は声明を発表し「信任率の高さは、国民の生活をより良く、安全にするため、改善を続ける新政権にとって刺激剤になる」と述べた。

 しかし、この91%という数字に至った世論調査は、発足直後に行われたためドゥテルテ政権の実績に対する評価というよりは、改革への期待感が影響した可能性がある。貧富の格差や汚職といった従来の問題を解消できなかった歴代政権に対する不満の反動ともいえるだろう。

 発足直後に信任率が高かったのは今回に限ったことではない。アキノ前政権が10年6月末に発足した直後の世論調査でも、信任率は85%に上った。ところが任期切れ直前は50%前後まで下落した。政権が交代する潮目の時に期待が高まるという傾向があるようだ。

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