したたか者の流儀

2016年8月20日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 イタリアからミュンヘンと言って切符を買うとモナコ行きと書いた切符をくれる。モナコ行きと言って買うとどうなるか心配になる。イタリア国鉄の窓口では、間違いが起きないようだ。風体をみれば、北行きか、南行きか、分かるのだろう。もっとも、モナコの駅はモンテカルロなので間違えようもない。かつては福岡あたりで、センダイ行きというと、どちらですかと言われたらしい。鹿児島にも原発で有名なセンダイがあるのだが、漢字にすれば間違えはない。モナコのほうはどうだろうか。

モナコ(iStock)

 モナコといえば南フランスの都市国家で、亡くなったグレース・ケリーが嫁いだ先だ。モナコの玄関モンテカルロには、有名なカジノがある。モンテカル・ロラリーやモナコ・グランプリで有名だが、税金のない国の国民になるのは大変なようだ。日本でも有名なスポーツ選手が国籍をとっているという話を聞いた。

 その方たち以外に、もう一人幸せな方がいるようだ。ここモナコには世界水路機関の本部があり、海上保安庁から出ている人が働いていると思われる。大変重要な国際機関で、世界の海図作成を監督しているのだ。頑張ってもらわないと、こっそり日本海の名前が変わり、南方の島が消し去られると困る。

 ウイーン会議以降、国際会議や国際機関ではゴミ箱は漁られたり盗聴されたりするのは当たり前のようだ。うらやましい勤務地だが、ことが起きないように頑張ってほしい。コートダジュールの華、モナコ公国は一度衰退しかけたが、オナシスなどギリシャの船主たちが寄って集って華に仕立てあげたと思われる。土地を買い、話題を作り値上がりを楽しむ。グレース・ケリーはそのための道具立てだったのだろう。ネットがない頃は、ラジオモンテカルロは、フランス、ベルギー、スイスなどの国では情報を取るのによく聞いた。ここには銀行もたくさんあるが、今後はどうなることか。

 もう少し地味だが、フランスに盲腸のように付いた国がもう一つある。それが、アンドラだ。知らない人もいるかもしれないがれっきとした国だ。フランスとスペイン国境、ピレーネ山中にもアンドラという小さな国がある。こちらも何らかの理由があって、独立国となっているのだろう。1278年の独立だそうだ。アメリカより500年も古いことになる。その間、スペインの内戦やドイツによるフランス占領時代も含めて生き残っているのは不思議だ。

 アンドラ国元首はフランスの大統領とスペインの国王または、教会のトップの二人制のようだ。現地に行ったときは、国境検問所にフランスのシラク大統領とスペインのカルロス国王の写真が並んで飾ってあった。よく調べるとスペインからは国王ではなくキリスト教のトップが付くようだが、国王のほうが納まりは良いのかもしれない。

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