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2016年11月13日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 トランプ氏の大統領就任が確定して2日、全米各地では抗議デモが繰り広げられ、オレゴン州ポートランドなどではデモが車や建物に放火するなど、暴動と化しつつある。そんな中、トランプ氏は「オープンで大成功だった大統領選挙を終えたところだ。なのにメディアに焚きつけられたプロの抗議屋が行動している。不公平だ!」とツイート、騒動にさらに火を付けている。

今にはじまったことではない不公平

ニューヨーク・トランプタワー前でデモを行う人々(GettyImages)

 しかし、トランプ氏の言うことにも一理はある。トランプ大統領を選んだのは米国人自身だからだ。抗議をするなら選挙戦中にするべきだっただろう。さらに言えば不公平は今に始まったことではない。今回の大統領選挙は最初から最後まで不公平のオンパレードだった。

 米メディアでは「なぜヒラリーが負けたのか」の検証が始まっているが、その中でポツポツと「サンダースなら勝てただろう」という論調も見られる。しかし、同じメディアがどれだけサンダース氏に対し不公平な扱いをしていたのかは明らかだった。予備選の最後の方ではニューヨークタイムズでさえ「勝てる見込みはないのだからサンダースは直ちに選挙を辞めるべき。継続することで民主党の結束が揺らぎ、トランプに利することになる」という内容の記事を掲載したほどだ。それだけ巨大メディアに後押しされたヒラリーが負けたのだから、ヒラリーの敗北よりはメディア自身の姿勢を総括すべきだろう。

ソーシャルメディアによるニュースフィードが既存のメディアを上回った

 今回の選挙は「ソーシャルメディアによるニュースフィードが既存のメディアを上回った」初めてのケース、と言われる。米国人の44%がフェイスブックから選挙戦の情報を得ていた、という。そのフェイスブックのニュースと言えば、例えばFBIのコミー長官が選挙直前にヒラリー氏のメール問題を蒸し返し、その後「やはり刑事訴追はない」と結論づけた時にトランプ支持者から出たものが象徴的だ。それはコミー長官の顔写真に「ヒラリーは真っ黒。でも、私は突然のミステリアスな死を迎えたくない」と書かれたものだった。

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