風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2010年4月1日

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野村 滋 (のむら・しげる)

株式会社コンテンツ・ファクトリー代表

情報誌会社勤務時代に取材で、創立間もない風の谷幼稚園と出会う。その後12年間、風の谷幼稚園の変遷を追い続けている。風の谷幼稚園の教育実践記『4歳の胸のうち』『5歳の誇り』を同社から出版。

 昨日は「久しぶりにえのき広場に遊びに行こう!」と子どもたちに声をかけて、広場に行きました。『はじめの一歩』をして遊んでいたのですが、頃合いを見計らって、「おっ、いいモノがあるぞ」とツルをズルズル・・・。(実は、朝のうちに電車にちょうど良さそうなツルを見つけて、切っておいたのです)
ツルを輪っかにして、子どもたちの目に入るようにと歩いていると、「なぁに? ─あ、電車だ」と葉ちゃん。「乗る! 乗る!」と元くん。「私も!」「僕も!」と、あっという間に電車は大混雑。急遽、もう1本ツルをみつけ、電車を増やしたほどです。
すぐに、「切符売り場はこちらでーす」と健くん、和俊くんがやり始め、落ち葉が切符へと早がわり。あんまりたくさんのお客さんが乗ってしまうと電車が動きにくくなってしまうため、「この電車4人乗りでーす。もう満員なので後にして下さい」と和輝くん。
運転手、車掌が入れかわり立ちかわり交代して、最後は“幼稚園行き電車”に。ジャングルコースでもう1本ツルを見つけて、3台の電車で幼稚園へと戻りました。
子どもたち「明日の朝もやろう」「楽しかった」と、電車ごっこムードになり始めています。
さぁ、これからどのように展開していくのか、楽しみに見守っていてください。
風2組 学級通信「麦」より

電車ごっこの教育意図とは?

えのき広場…風の谷幼稚園に隣接する広場。先生や父兄が雑木林を開墾してつくった自然あふれる子どもたちの遊び場。その面積は、なんと1400坪にも及ぶ。

 年長児クラスの12月も近づいたころ、風の谷幼稚園では「のりもの」(「電車ごっこ」などを含む総合活動全般の総称)のカリキュラムが始まる。冒頭のエピソードはその初日の様子だ。先生が早朝に「仕込み」を行う様子が目に浮かんでくるようだが、子どもたちはその意図通りに反応し、「のりもの」はスタートする。この活動に秘められた教育意図を2回に分けて紹介していこう。

嬉しかったことは人にもしてあげよう!

 広場で子どもたちが“見つけた”ツルがきっかけとなって始まった「電車ごっこ」。その翌日にはその遊びが一段階、高度になる。この様子を再び学級通信から見てみよう。

「ねぇ、みんなで電車ごっこやらない?」ともちかけると「いいよ、やろう」との返事。すぐに「じゃあ切符が必要だよ」「ホームも」「お金も」「あ、お金はビールのふた(王冠のこと)がいいよ。もってくるね」と必要だと思われるものが、ポンポンあがります。そして思い出したように「そういえば、前の風組がやってくれたよね」と真くん。
「そうだったね、みんな去年乗せてもらったんだよね」と話すと、「花組と鳥組も乗せてあげたいなぁ」と二奈ちゃん。「でもまだダメだよ、切符売り場とかもなんにもないじゃん」と悠翔くん。花、鳥組を乗せるなら、ちゃんと道具も揃ってバッチリになってから、という思いのようです。
子どもたちからあがったのは次のようなものでした。

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