ベストセラーで読むアメリカ

2010年4月19日

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■今回の一冊■
STONES INTO SCHOOL
  筆者Greg Mortenson, 出版社Viking, $26.95

 パキスタンやアフガニスタンの僻地で、主に女の子向けの小学校を建設するNGO活動を続ける筆者グレッグ・モーテンソンの手になる、学校建設運動の記録である。全米で300万部を超える大ベストセラーとなった前作「スリー・カップス・オブ・ティー」(3月に邦訳が出版された)の続編だ。クリントン元米大統領ら有力者たちも愛読したことで知られる。本書は前作が出た2003年以降の活動を中心に描く。

 本書も前作に続きベストセラーとなり、昨年暮れのニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーリスト(ウエブ版12月11日付)で、単行本ノンフィクション部門2位で初登場。つい最近(ウエブ版4月2日付)まで、16週にわたりトップ15位に顔を出していた。

 筆者モーテンソンは、世界で2番目に高い山「K2」で遭難し、パキスタンの僻地の村の人々に助けられる。学校もなく十分な教育を受けられない村の子どもたちをみた筆者は、米国に帰って資金を集めてパキスタンでの学校建設に乗り出した。筆者が率いるNGOである中央アジア協会(CAI)のこれまでの実績について次のような説明がある。

 When journalists write about the achievement of the Central Asia Institute, they often tend to trot out the same sets of figures. They are fond of mentioning that during the sixteen years since my failure as a K2 climber, I have completed thirty-nine trips to Pakistan and Afghanistan, where, without using a dollar of money from the U.S. government, the Central Asia Institute has established 131 schools that currently serve more than 58,000 students, most of them girls. (p14-15)

 「中央アジア協会(CAI)の実績について、ジャーナリストたちがよく披露するデータがあります。私がK2登攀(とはん)に失敗して以降の16年間に、パキスタンとアフガニスタンに39回も行き、アメリカ政府からの支援は1ドルも受けずに、CAIは131の学校を完成させたことをジャーナリストたちは好んで説明します。これらの学校では現在、58000人の生徒が学び、そのほとんどが女の子です」

 タイトルを直訳すると「石から学校をつくる」か。筆者がアフガニスタンの奥地で知り合った、学校建設を求める現地の有力者の次の言葉からきている。イスラム原理主義派ゲリラ戦士(ムジャヒディン)として、侵攻してきたロシアやタリバンを追い出すため計15年にわたり闘った有力者の言葉だけに重みがある。

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