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2017年1月15日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 およそ1年前に米国の伝統ある家電企業、GEを54億ドルという巨額で手に入れた、世界最大の家電企業、中国のハイアール社。今回のCESはハイアールにとって「米企業」として参画する初めてのものとなった。

 ブースにはハイアールとGEアプライアンスの両方の名称がつけられ、展示されている製品も若干の差異がつけられていた。つまりハイアールの商品名は従来の路線に近い、単身者をターゲットとした小型で比較的安価な家電、そしてGEアプライアンスはやや高級路線だ。

 

 ただしハイアール製品もIoTにはしっかりと着手し、UHomeOSというオペレーティングシステムによるスマート家電をアピールしている。UHomeOSは、U+クラウドプラットホーム、U+ビッグデータプラットホーム、U+ブレインを組み合わせたAIシステムで、家中の家電製品とのインタラクティブ・コミュニケーションを可能にする。

 例えばキッチンでは冷蔵庫のディスプレイで料理をしながら好きなテレビ番組を楽しめる、リビングルームにいながら家中の家電製品の状態をチェック、エアコン温度なども設定できる、洗面所で歯を磨きながら天気予報やニュースなどをチェックできる、といった提案がなされた。

 一方のGEアプライアンスでは「スマート・サウンド・コントロール・キッチン」と名付けられたシステムが紹介された。こちらはアマゾン・エコーのスマート・スピーカーを使い、全てのキッチンデバイスが音声コマンドでコントロールできる、というものだ。

 GEは元々メイタグ、ワールプールなどと並ぶ米の巨大家電メーカーだったが、赤字部門となった家電を切り離し重電機にシフトすることで企業としての生き残りを選んだ。GEブランドのファンからは「伝統的な米メーカーが中国製になること」への反発も大きかった。

 今回のCESを見て、IoTではサムスン、LG、パナソニック、ソニー、東芝などがそれぞれの新製品とアイデアを提供する一方で、メイタグやワールプールのプレゼンスは薄かった。その点、ハイアールと組んだことでスマート家電を強調できたGEの戦略はそれなりに成功と言えるだろう。

 一方のハイアールだが、シンプルで安価であることが魅力だったものが、やや高級路線に切り替えたことで中途半端さが目立つ内容だった。小型家電にもモダンなデザインを取り入れているのだが、それがややチープな印象であることは否めない。例えて言うならイケアの家具、だろうか。

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